075:stange
聖☆おにいさん イエスとブッダ





聖さんちでは日曜朝の特撮のチェックは欠かさず(ブログ更新のため)、その後の時間は各自でゆるゆると過ごしている。
大抵の場合ブッダは家事をしイエスは特撮についてのの記事を書いているが、このときは少しだけ違った。

「うわっ イエス何やってるの!」
「んー、今週のは内容薄くて記事が短くまとまっちゃったからねー、暇つぶし」
「いや、だからといってその髪型は…」
イエスは長い髪をツインテールにしていた。しかも片方は三つ編みの作りかけで。
「私の髪だったら出来るかなぁと思って試しにやってみたんだけど、案外あっさりできちゃった」
言いながらイエスが指した方向はテレビ。ちょうど美少女アクションアニメが映っていて、画面の中では三つ編みのお下げの女の子がヒラヒラした動きにくそうな格好で戦っていた。
「イエス…君がコスプレに興味あるのは知っていたけど女装癖まであるとは知らなかったよ」
「別に私はあの格好まで真似しようとしてるわけでは!」
「髭面のおっさんの女装なんて見るに耐えないよ」
「ちょ…おっさんおっさんって私より君の方が数世紀年上じゃないか!」
「うっ……」
「なのに君だって変なところ子供くさくて」
「私のどこが子供だって!」
「ほら300年くらい前に天界で…」
そんな些細な諍いを当然のように意に介さずアニメは予告に移る。
『明日は私の12歳の誕生日!私だってもうオトナなのにパパったらいつまでも子供あつかいして何も分かってくれないのっ』
「……。」
「……。」
「やめようかこんな不毛な話」
「そうだね…」

『来週も見てくれないとミラクルビームでおしおきしちゃうぞ☆』
明るい声が沈んだ部屋に響いた。







「strange:見慣れない・妙な」
言葉の端々に人間離れした単語(ex.モテ『紀』)が出て来るのに、変なところで人間くさい彼らが大好きです。
それにしても時間の単位がおかしい人の会話はもれなくMOEです。