082:touch
ヘタリア 伊+独





「ねーねーどうしてドイツはいつも手袋してるの?邪魔じゃない?」
そういいながらイタリアは、やってる本人にも説明できない謎のジェスチャーでドイツの手をつつく。
カシンカシーン
人体では起こりえない音が響いた。
「え、なんで?」
びっくりしてドイツの黒い手袋を剥くと、顔と同じ色の白い手があるはずのそこには鋼色に光る無骨な手の形をした機械があった。
「ばれてしまったか…」
「…どういうこと?」
「昔ボロボロに敗けたときにある事件に巻き込まれて、俺は全身兵器に改造されてしまったんだ」
「へ、兵器!?」
ドイツは沈痛な面持ちで右腕を水平に伸ばすとその指からバババッと火花と鉛弾が飛び、その先にあったコンクリートの壁が瓦礫と化した。
「腕にも膝にもこの胸にも、文字通り『爆弾』を抱えている。俺は復讐のために奴等と戦わなければならない」
完全に混乱しているイタリアを差し置いてドイツは淡々と別れの言葉を述べる。
「このことを知られてしまったからにはお前と一緒にはいられない。巻き込みたくないから…。さよなら、イタリア。もう再び会うことは無いだろう」
そう言い捨てて、イタリアの静止の言葉も聞かずにドイツは去っていった。

「うぁぁあああ!ど、ドイツーーーーっ!!!」
「どうした、大きな声を出して。ん、いつもより早い目覚めだな」
さっき走り去ったはずのドイツがイタリアの隣にいた。
「あれ、夢…?」
「シエスタで嫌な夢でも見たのか。災難だったな」
くすくすと笑ったドイツは若干崩した格好をしており、いつも手袋で覆われている両手は外気に晒されていた。それは確かに白くて、触れば人の温もりが在った。
その温もりを抱きしめながら、イタリアは子供のようにドイツの首にしがみついて泣き崩れた。
「ドイツーーー!俺に黙ってどこかに行ったりしないでえええええ!!」
困惑した表情でドイツはそれに応える。
「まったく…。約束しただろう。俺はお前を忘れたりもしないし、できる限り助ける。見捨てる事なんか決してない」
ドイツは再び誓うように言いながら、訳も解らないまま幼子を宥める親のようにイタリアの頭をぽんぽんと撫でた。

その脇で、
「人であって人でない者の悲哀!これぞ男の浪漫ですよ!!」
二人を視界にも入れず日本は9人のサイボーグ戦士が映るテレビを見つめながら独り言を呟いた。






「touch:触れる」
一度はやって見たかった009×ヘタリアダブルパロ。
004もドイツも好き過ぎてやばい。このカタブツめ!愛してる!!