085:underatand
ヘタリア 伊→独





「ドイツー靴紐が結べないよー」
俺が求めれば、
「またか!」
君はすぐに助けに来てくれる。

「何をどうすればここまでぐちゃぐちゃに絡むんだ?それに通す穴一つ飛ばしてるじゃないか」
だって俺がわざとそうしたから。
でもそんなことは言わない。

俺はドイツに靴紐結んでもらうのが好き。
いつもとは違う角度で気づかれずに見つめていられるから。
冬の太陽のような薄い金の髪が、性格を表すようにきっちりと後ろに撫で付けられているのが見える。
ここからだと髪と同じ色の睫が意外と長いのが分かる。
半分伏せた瞼の下にちらりと見えるサファイアの瞳も綺麗で大好き。
片膝を地につけもう片膝を立てて作業する姿も、俺にはできないくらいカチッと決まっててかっこいい。
「ほら、終わったぞ」
俺が見惚れてる間に、ちょっと憧れる男らしい節ばった指があっさりと作業を終えてしまった。
ドイツが器用なのはいいところなんだけど、こういうときばっかりはもうちょっと不器用だったらなって思うよ。
でもそんなことは顔に出さず、笑顔を繕ってお礼を言う。
「ありがとー!ドイツ」
そして幸福に頭を垂れる名高い騎士の唇に深いキスを落とした。
ドイツはぎょっとしたように立ち上がった。白い頬が真赤になるのがすごく良く分かって、少し笑っちゃった。
「前から思ってたんだがお前はスキンシップが過剰すぎるぞ、イタリア!」

なんでドイツは賢いのに、こういうところは頭が回らないのかなぁ。
俺だって『本当に好きな人』にしか口にキスなんかしないいんだよ?

ねえ、この気持ち、きづいてよ。






「understand:理解する・思う」
靴紐ネタと名前ネタを使いたかった。
イタリア=Feliciano=幸福 ドイツ=Ludwig=loud-fight(名高い戦士)
二人とも名前かっこよすぎる。