097:xxx
鬼畜眼鏡・メガホン





全ての物事に関してもそうなのだが、アスリートという職業は特に「身体が資本」であると克哉はきちんと認識している。だからこれからプロ選手になろうとしている本多に無理をさせるつもりは毛ほども無い。
いくら克哉が緊縛プレイや放置プレイ・大人の玩具その他諸々が好きな変態ドSでも、本多にそれを強要する気は無かったのだ。

だが。
それなのだが。

「もう終わり…かよ…」

一戦終えてがっつきたがる心を抑え、重なった身体を離そうとしたときにそんな言葉を吐かれてしまえば、固めた決心も揺らぐというものだ。
事後独特の気だるげな吐息混じりに囁かれれば尚更。
本人は「一度で終わるなんて珍しい」くらいの気持ちでしか言ってなかったとしても、克哉はそうは受け取らない。受け取れない。意図しない色気を含んだ低い声は、容易に下肢へ熱を篭らせた。

「お前、馬鹿だろう」

煽る本多にも簡単に煽られる己にも呆れて溜息混じりに言えば、本多は視線で「馬鹿とはなんだ」と抗議する。しかし克哉は今の本多を表現する言葉にそれ以外の単語を見つけられなかった。
本多の辛そうな姿を見るのは二度と御免だ、という気持ちがどこかにあることも、それが所謂『惚れた弱み』であることも、鈍すぎる本多は気づいてはいないのだ。「先に告白した方が負け」と教え込んだせいか、本多は自分の想いの方が大きいと勘違いしているからかもしれない。

「やっぱお前馬鹿だ。ばーーか」
「あんまり馬鹿馬鹿言うなよ」
「事実だからしょうがないだろ。――明日腰が立たなくなるくらい抱いてやるから覚悟しろ」

そう克哉は宣戦布告してから、愛しすぎる男の唇に深く口付けた。
俺は悪くない、コイツが全部悪いんだと、子供みたいな言い訳を胸の内で繰り返しながら。






「xxx:成人指定の」 1Rと2Rの間(…)
Quit時システムボイス本田verに滾りすぎてカッとなってやった。若干反省している。