ヘタリア ギルッツ・パラレル





とある貧しい村のそばにある森。その奥にぽかりと空いた小さな野原に、魔法陣が描かれている。その中央に磔にされた少年がひとり、縄で生きたまま動くことも助けを求めることもできず呆としていた。
皆が一生懸命働いているのにこれだけ貧しいのは、この村に悪魔が紛れ込んでいるからだ。その悪魔は誰だ。ぎらぎらと血の色をした子供がいただろう、あいつだ。現にあの子供の保護者はあいつを引き取ってすぐに死んでしまった。ならばその子供をどうにかすれば好転するに違いない。あの森には人食い狼がいると聞く。ならばそれに処理させよう。
そんな話を断片的に聞いた齢7つの少年・ギルベルトが意識を失う前、最後に思ったことは「腹が減ったなあ」であった。



だから、次に目が覚めたとき、質素とはいえベッドに寝かされていて、ギルベルトはひどく混乱した。
「ここ、は……?」
誰に問うつもりもなかった問いは、ちょうど部屋に入ってきた青年が答えた。
「目が覚めたか。ここは俺が間借りしてる小屋だ。――腹が減っただろう、一応粥を作ったんだが、食えるか?」
こくこくと頷けばほっとしたようにその金髪の青年は笑い、持っていた盆をギルベルトの膝に置いた。
「森の真ん中でお前を見つけたときは本当に驚いたんだ。こんなところに縛り付けるなんて、しつけにしたってやりすぎじゃないかと」
驚くほど甘い見方に、ギルベルトは幼い頬に一つ苦笑を浮かべて言う。
「あたりまえだろ。殺すつもりで磔にされたんだからな」
瞠目する金髪の彼を――きっちりとなでつけられた髪に身なりのいい服を纏う彼を見、ギルベルトは、そんな事態を想定すらしてなかったんだろうなと思った。
そして全てを語った。村では忌み嫌われていたこと。村が貧しいこと。それが捨てられた原因であること。それら全てを大人たちが「子供だからわからないだろう」と思ってあけっぴろげに話していたために、ギルベルトがすべて把握していたこと、全てを。
話しながら、限界まで空いた腹に少しずつ粥を流し込めば、すぐにとろとろと瞼が落ち始めた。
「眠いのか?ならば、よい夢を」
なだめるようにさらさらとギルベルトの額を撫でる手のひらは、かつて心から慕ったひとと似た温度で、どこか寂しく思いながらギルベルトはゆるやかに瞳を閉じた。

次に目が覚めたときには、日はとっぷりと暮れていた。自分で思っていたよりずっと疲弊していたようだ。
あの金髪の男の姿が見えなかったから、ベッドを抜け出て扉を開ければ、すぐそこに彼はいた。
「よく寝ていたな。もう体は大丈夫か?」
「ああ、もう大丈夫だ、ありがとな。――なあ、なんで俺を助けた?」
「なんでって、こどもが死にかかっているのを見かけたら助けるだろう。当たり前だ」
「こんな気味悪いガキでもか」
「気味悪い?どこが?――ああ、もしかしてその髪と目の色を言っているのか?珍しいとは思うが気味悪くなんてないぞ。その紅玉のような瞳は美しいとすら思う」
それが自然で当然だというようにさらりとまっすぐにそう言う青年の言葉に、ギルベルトは頬を染めうつむいた。
「なあ、ここあんたの家か」
「いや、違う。間借りしてるといっただろう。そういえば自己紹介もまだだったか。俺はルートヴィッヒ。旅をしながら狩人のようなことをしている。この家は依頼主の好意で数日借りているだけの小屋だ」
「依頼主?」
「ああ。具体的に言うと、俺の生業は化物狩りだ。人に仇なす獣や化物を殺すことを請け負って、その首を依頼主の元に持っていくことで褒賞を得て暮らしている。――と言って、分かるだろうか」
「あ、ああ。なんとか」
農村育ちのギルベルトには異次元にも思える仕事だったが、そういう者の存在は確かに必要に思えた。そしてふと部屋の壁に視線を向けると、力なく舌を出してうつむいている狼の首と広げて干してある毛皮がそこにあった。
「もしかして、あれ」
「昨夜俺が狩った人食い狼だ」
「う、わ……!」
「人の存在を示しながら歩いて寄ってきたのはあいつだけだったから、この森の周りの村人が恐れていた狼はあれだろう」
淡々と猟銃の手入れをしながらそう言うルートヴィッヒをギルベルトは目を輝かせて見つめる。
「だから、明日にはこの小屋を発つ。お前はどうする?元居た村に戻るのは得策じゃないだろう。依頼主は比較的裕福そうだったから、俺が頼めばそこに住まわせてくれるとは思うが……」
「俺、あんたについていきたい!」
「なんだと!?」
「人を助けながら旅してまわるとか、めちゃくちゃかっこいいじゃねえか!俺もついていきたい!」
「……危険だぞ?俺は頑丈だからどうにかなってるが、俺が目を離した隙に今回みたいな人食い狼なんかにお前が襲われでもしたら、助けられる保証はない」
「でも知らねえ奴の家で、安全だけど窮屈な思いして暮らすよりはずっと楽しそうだろ」
強い意志でそう言うギルベルトに圧され、ルートヴィッヒはしばし瞠目して、はあと深く息をつく。
「ならばしょうがない。危険な生活なのを覚悟した上で言っているならな。嫌になったらいつでも言うんだぞ、預けるあてはいくらでもあるから」
「っしゃあ!!」
喜んで飛び跳ねる少年の様子に、ルートヴィッヒはひとつ苦笑した。



そこからの暮らしは、ギルベルトが思っていたよりも不安定で難しく、けれどルートヴィッヒが思っていたよりも賑やかで楽しかった。
「俺の手伝いをするつもりなら、もっと世間に対する知識をつけてくれ」とルートヴィッヒが言うから、各地の依頼主の書斎を借りて勉強した。
討伐依頼の対象について調査している間は暇なため、書斎にある本を読みつくしていけば、柔軟な子供の頭脳には多種多様な知識はするすると入った。時々退屈だと思うこともあったけども、大きな恩のあるルートヴィッヒの力になるためと思えば苦にならなかった。
息抜きとしてその村や領地に出かけては同じ年くらいの子供に声をかけて遊びに加わることもあった。紅い瞳の色に驚かれることもあったが、あの村のように迫害されるほどではなかったようでそこから話をひろげて子供の間での情報ネットワークの伝手を得て、それがルートヴィッヒの仕事の解決の糸口になることもあった。
あの寂れた農村では絶対得ることのできなかった経験はギルベルトを大きく成長させたし、そのことを喜んでくれるひとがいるということは大きな心の支えになった。

あるときは、以前から子供たちが見かけていた不審者が、最近頻発する子供を狙う人さらいの犯人であることをギルベルトが突き止め、ルートヴィッヒがとらえたことがあった。
あるときは、人食い熊の出る山にギルベルトが囮となって入り、現れたそれをルートヴィッヒが背後から狙い仕留めたことがあった。
あるときは、危険な任務を依頼しておきながら報酬を値切ろうとした依頼主に、口のまわるギルベルトが逆にふっかけて、たっぷり報酬を得たこともあった。
命を落とすような危機に陥ったことはもちろん一度や二度ではなかった。すべてが一筋縄でいったとはとても言えない道程だった。しかしことを成しえたときの達成感や、それを分かち合うひとがいるということは彼らにとって何にも代えがたい大きな財産だった。

そうやってうまくやってきた二人の間に薄く影が差したのは、もはや珍しくもない人さらいをとらえたときだった。
悪魔崇拝をしていた教団に誘拐された少年を親元に返したとき、帰ってきた息子を涙ぐみながら抱きしめる父親を、ギルベルトがじっと見つめていた。
「どうした、ギルベルト」
「なんでもねえよ」
「なんでもなくはないだろう。あの親子が気になっているのか」
「……はあ。ほんと、お前には嘘つけねえな。――あの父親な、ちょっと俺の親父に似てんだよ。顔は違えけどな、なんか雰囲気、みたいなのがさ」
「以前言っていた育ての親か」
「おう。貧しくてギスギスした村だったけどよ、親父だけは良い奴だった。体弱くて早くに死んじまったけど、今でも俺にとって大事なひとだ」
ひとしずくの郷愁をたたえる紅い瞳に、ルートヴィッヒは何か声をかけようとして口を開き、何も言わず閉じた。その一言が居心地が良い今を変えてしまうような気がして。
だから、先に言葉を発したのはギルベルトの方だった。
「なあ、1回だけでいいからよ、親父の墓参りさせてくれねえか」
その頼みに、ルートヴィッヒはぐっと唇を引き結んだ。だいたいいつも頼みごとをすると是か否かすぐに答えが返ってきたから、ためらうようなその様子にギルベルトは瞠目する。
「だ、だめならいい……別に今すぐ行きたいって訳でも――」
「何を見ても受け止める覚悟があるなら」
「え?」
「後悔するなとは言わない。受け止める覚悟があるなら、案内しよう」
それだけで何かが起こったことは十分に分かった。その上で首肯すれば、ルートヴィッヒは小さく苦笑するように唇を緩め、そうか、と言った。
「元々俺はあなたを縛るつもりはないんだ。十分大人になったのだから、あなたはあなたの生きたいところに行けばいい。そのために俺の力が必要なら惜しみなく力を貸そう。そうするだけの義理は十分にある」
あの森で出会って11年。二人の視線の位置はほぼならび、二人称も「お前」から「あなた」に変わるだけの十分な年月が経っていた。そしてその間一度もあの森にも村にも帰ったことがなかった。



近くの街まで向かう荷馬車に乗っているときも、そこから徒歩であの村に向かうときも、二人の間で交わされる会話はほとんどなかった。いつもはうるさいくらい喋るギルベルトが口をつぐんでいるせいもあったし、ルートヴィッヒの方も何か思い悩んでいたからだ。
ほとんど無言のまま獣道しかない小さな藪を抜ければ、そこにギルベルトの故郷がある。はずだった。
「なん、だ、これ……」
元々貧しい村だったから、家々はもちろん立派なものではなかった。だがその寂れた様子には拍車がかかっているどころかほぼ限界まで朽ちていて、廃村と言ったほうがいい有様だった。
屋根は大きく欠け、壁にはツタ性植物が大きく這いまわり、道には雑草が生い茂って人が通っている気配はない。畑にも雑草がはびこって何かを育てている様子など皆無だった。
それでもルートヴィッヒが想定していたよりはきれいだったようだ。
「さすがに死体の処理は教会の人間がしたようだな。流行り病の元になるから当然か」
「なあ、これ、何が起こったんだ。たかだか10年とちょっとで、なんでみんないなくなってんだ」
「遠因は、どうやら俺たちのせいだったようだ、ギルベルト」

曰く。
ギルベルトを森から助け出した数日後、村人がギルベルトの様子を――正確には死んだがどうかを、確かめに行った。するとあの子供は縄をほどいて忽然と姿を消していた。
どうみても人食い狼の仕業ではないそのありさまに、村人はひどく動転した。
追放したあの子供が逃げ出した。危険な森に住む者などいないのだから、これは人の智の及ばざる何者かの仕業だ。やはりあの子供が悪魔だったのだ。悪魔は死なず、逃げ出した。ならば我々に復讐しにやってくるに違いない。
貧困と疲労で精神を病み混乱した村人がそんな結論に行きつくのはすぐだった。
そこから村は真っ二つに分かれ争った。片方は、神に祈ることで救いを求める者。もう片方は悪魔に許しを請いその配下になろうとする者。
悪魔崇拝に傾倒した者は信心派を生贄にすることで許しを得ようとし、信心派は襲ってくる悪魔派に抗い武器をとった。小さな村で殺し合いなどすればあっという間に人は減り、税の取り立てをしにきた役人が来る頃には誰もいなくなっていた。

「俺、そんなこと、少しも知らなかった」
「小さな農村が1つ消えたことなど、遠くまで伝わるものか。それにこの村の名前すら忘れていただろう。俺だって数年前に人食い狼についての後追い調査をするまで知らなかった」
「なあ、これ、俺のせいか?」
「さあ、どうだろうな。あなたのせいでもあるし俺のせいでもあると言えるかもしれない。ただ直接手を出したわけではないから、どちらのせいでもないかもしれない」
「そ、か……、ああ、あいつらほんと、何やってんだよ……」
力が抜けたようにへたりこみかけるギルベルトを、ルートヴィッヒはそっと支える。
「大丈夫か……?この事実は抱えるには大きすぎたか」
「いや、大丈夫、だ。半分くらいは覚悟してた。もう半分は予想外すぎたけどな」
「そうか、無理はするなよ」
「してねえよ。じゃ、墓参り行こうぜ」
「……ああ、そうだな。教会川の近くでよかったか」
「ん」

訪れる者のいない教会は当然朽ちていたが、墓地自体は石造りであるためか目当ての場所はすぐに見つかった。
川べりにあった花を供え、故人を偲び神に祈る。いるかどうかも半信半疑だが、それが故人への敬意だと思った。
「随分長く離れちまって悪かったな、親父。いろいろゴタゴタあってさ。でも、まあ案外元気でやってるから見守っててくれよな」
「では俺からも。――この場所から彼を勝手に連れ出したことを申し訳なく思うが、やむを得ない事情があったと理解してほしい。だが、あなたが愛した子供はこうやって立派な青年になった。長い間預かっていてすまなかった。今俺の手から、あなたがたに返そう」
そう言って1歩後ずさって、墓に向かって一礼する。ギルベルトはそれを振り返り見て、苦しさを無理に押し殺したような顔で小さく笑った。
「はは、言うと思った。なあ、ルートヴィッヒ、そんなに俺と離れたいのか。俺と一緒に旅するのはもう嫌か」
「俺の役目は終わったと思っているだけだ。庇護されるべき子供である時期はもうとうに過ぎたし、あなたはもう自分の行き先を自分で決められるんだ。それに、俺の元にずっといるのは、あなたの人生のためにならない」
「それは、お前が『人間』じゃないからか?」
「なんだ、分かってるじゃないか」
ルートヴィッヒは、ゆるく笑んだ。11年前、ギルベルトと出会ったころから微塵も老いていない、若く美しい青年の顔で。



「お前、一体何なんだ?」
「悪魔、のようなものだ」
真顔でそんなことをいう者だからギルベルトはあきれた。
「相変わらず冗談下手だな?」
「冗談じゃないぞ。まあ、俺自身にもよくわかってないから『ようなもの』だが。人狼や吸血鬼に襲われても咬み痕が数日残っただけでなんの後遺症もなかったから、それら以上の力をもった魔族であることは確かだ」
「それで『悪魔』か。今までそれらしいそぶりなんて見たことねえけど」
「老いないこと以外に目立って人との差異はないからな。怪我の治りが早かったり、夜目が効いたり、生寄りの肉を好んだり、親も家族もいなかったからそういうものがわからなかったり、なんとなく教会が居心地が悪かったり、そんな些細な体質は旅をしていれば周りの人間には隠し通せた」
「俺以外には?」
「ああ。――元々俺は、仲間を探して旅をしていたんだ。各地を渡り歩きながら、子供から大人の姿になるまでに約50年、今の姿になって200年ほどか。それこそ人狼や吸血鬼、魔女やネクロマンサーなんかにも会ってきたが、ついぞ俺と同じ生態を持つ者には出会えなかったな」
青い瞳が薄くすがめられる。それは過去を懐かしんでいるようにも、胸の内に抱えた寂しさをごまかしているようにも見えた。
「あのときあの森に磔にされていた子供を救い、あまつさえ長い間共に過ごしてしまったのは、悪魔と呼ばれた人の子にどこか似たものを感じてしまったからかもしれない。今では少し……いや、かなり、後悔している」
「なんっでだよ!俺は、お前に助けてもらって、ついていって、めちゃくちゃ楽しかった!キツいことも痛いこともあったけど、お前と一緒に旅したこと後悔なんて一度もしてねえ!なのに、なんで、そんなこと言うんだよ……」
憤慨と悲しみのまま言えば、ルートヴィッヒの唇が固く引き結ばれこわばった。
「俺の問題なんだ。俺が、あなたを手放したくないと、思ってしまったから」
金糸に縁取られた瞼から、ちかりと光が落ち、頬をすべっていく。それはルートヴィッヒがギルベルトの前で見せた、初めての涙だった。
「今までの旅で知ったはずだ、容姿であなたを迫害するような人たちは稀であると。そしてかつて迫害した人たちももう死んだ。ならば、あなたにも人として家族として愛する相手ができるだろう。あなたの父があなたを愛したように。それは俺にはできないことだ。俺は人間ではないから」
俯くルートヴィッヒの頬をもう一粒、涙が落ちる。
そのさまがあまりにも頼りなく見えて、たまらなくなって、ギルベルトはその躯を正面から抱きしめた。身長だけは少しだけ追いついていないけれど、そう出来るぐらいに心も体も大人になっていた。そうしてくれたのは、ほかの誰でもない今この腕の中にいるひとだ。
「人間がなんだ、悪魔がなんだ!俺はお前と一緒に居たいからそうするんだ!」
「あなたには人として幸せになる権利と、そうできるだけの力がある。だからもう離れてくれ、俺があなたをこれ以上縛りつけてしまう前に」
「だったら!俺はお前と幸せになりたい!」
ほとんど叫ぶように吐きだされた言葉に驚き、ルートヴィッヒの瞳からまた一粒涙が落ちた。
ギルベルトはひとつ大きく深呼吸して、抱きしめていた身体を少し離し額同士をくっつけあわせた。そうするときらきらを水気を含んだ空色が視界いっぱいに広がって、口元が緩む。冬の太陽のような淡い金と夏の空のような深い青は、彼がなにより好きな色だ。こんなにうつくしいひとが悪魔だなんて、まだ信じられないと思う心はあるけども、ただの人間ではないことは誰よりも知っている。
「お前が悪魔なら、眷族の作り方は知っているよな」
「ああ、誰ともしたことはないが」
血を交わした儀式をすれば、対象は主となる悪魔に魂を握られる代わりに主が生きている限り死なない身体になる。そういう儀式があることを、様々な怪物を斃すにあたって調べた書物で知っていた。
「なら俺が、ルートヴィッヒの初めての眷属になりたい。それで、二人で一緒に生きよう。もうお前を一人にはしたくねえ」
「いい、のか」
「当たり前だろ。知らなかったのか、俺、お前のことがずっと好きだったんだぜ」
そう言って再びぎゅうと抱きしめれば、おそるおそるというようにゆるく抱きしめ返されてギルベルトは深く笑んだ。
そして肩越しに幼少期の恩人の墓が見え、そっと瞳を閉じる。
(悪い、親父。もうそっちには永遠に行けそうにねえ)
心のうちでそっと懺悔はする。だがこの決断に後悔はない。そして絶対にこれから先も後悔しないという確信があった。






お題箱にて「生贄にされたギルベルトとそれを救うルッツ」というお題をいただいて書いたもの。
ラフレンツェパロとの差異をつけたくてルッツさんに付与した設定は個人的にお気に入りです。