ヘタリア 普子独
※ R-18
※ 兄さんが幼いどいつさんにすけべなことしてます
※ 要約すると自慰手伝いと兜合わせ





机上の照明のみをつけた薄暗い部屋、青年の膝の上に少年が後ろから抱えられるような形で座っている。その構図だけを見れば兄弟の親し気な触れ合いのように見えるそれは、決してそれだけではない触れ合い方をしていた。

二人分の荒い息と、くちくちと鳴る水音だけが響き、じっとりと淫猥な空気が部屋を満たす。
少年――幼いドイツは、時折ぴくんと躰を震わせ仰け反るようにしろい喉を晒す。その細い体を後ろから抱えるプロイセンの、骨ばった大きな手はドイツの未熟な屹立をすっぽりと包みしごきあげていた。強く、弱く、駆け引きをするように。その親指でドイツの一番弱いところ、屹立の先端をぐりっと強く擦ってやればドイツは「ああっ」と声変わり途中の少し掠れた声で甘く喘いだ。
なすがままに高められていく躰はひたすらに体温をあげ、その熱がプロイセンにも伝わる。幼さのなかに色気を秘めた最愛の弟は今や捕らえられた哀れな獲物のようで、理性の檻で閉じ込めた胸の内に住まう獣が飢えた唸り声をあげる。控えめな喘ぎ声がひとつ聞こえるたびに檻の錠が軋む音が聞こえるような気がした。



ことの始まりは数か月前だったをプロイセンは記憶している。
「風邪じゃないのにからだがあつくて、本を読むのにも集中できないんだ。たすけて、兄さん」
そう言ってドイツが兄の部屋を訪ねてきた。額に触れても熱はないのに顔をぽっぽとほてらせていて、もしかしてと思いプロイセンは彼に自慰の仕方を教えた。
本を見せてやるか口頭で伝えればすぐに終わったはずなのに、ほんの思い付きで、直接触れて抜くのを手伝うというやりかたをとった。
幼い躰にそれはあまりにも快感が強く、くせになってしまったらしい。それ以来時折深夜に兄の部屋を訪ねては抜いてもらうようになった。
自分のその痴態が兄の自慰のオカズになっているとも知らず。



いつもなら、熱を籠らせて苦しそうにしている弟を楽にさせてやるだけだ。幼い弟に不埒なことをしたがる本能は強固な理性で抑え、伝播した熱は夜風に当たって冷ましてから疲れて眠る弟を彼の部屋に運ぶ。それだけだ。
けれど今は違った。このところ公私共に忙しく疲れているのに不眠気味で、少しの寝酒をしてから床に就こうとした矢先の弟の来訪だった。
強固だったはずの箍が緩みやすくなったタイミングだ。けども、プロイセンは頭のどこかで近いうちにこの我慢がきかなくなる日がきっと来るだろうともまた思っていた。

ほんのり染まっている形のよい耳が見え、不意にそれが美味しそうだと思う。胸のうちの獣が少しだけならと囁き、欲にうかされた頭はそれにやすやすと従った。
唇の先で耳朶を食めば、ひゃうっと高く声が上がる。そのまま舐めると身体がびくびくと震えた。可愛い弟はこんなところも性感帯なのだろうか。素直な反応が興奮を誘う。
「なあ、ヴェスト」
耳に直接吹き込むような囁き声は熱で掠れる。
「な、ァ、なに……ンっ……」
「きもちいい?」
言いながらこすりあげる手は徐々に緩めていく。
「わ、わから、ない……」
「イきそ?」
その問いには小さく首肯が返る。
「それをきもちいいって言うんだぜ。なあ、もっとしてほしいか?」
「してほしい、……から……はやくッ……!」
「じゃあ、ちゃんとよかったら気持ちいって言え。ほら」
細い喉がこくんと鳴る。そして。
「にいさんの、手、きもちいい……もっと、して……」
兄の手にすがるように手を添えて懇願する姿に、赤い瞳はすっと細くなる。それが完全に獣の瞳になったのを、哀れな獲物は気づかない。
「いい子だ、ヴェスト」
耳元で囁かれ、その熱い吐息すら刺激になってぴくんぴくんと躰を跳ねさせるばかりだった。

幼くもけなげに立ち上がる屹立をごしごしと擦ってやるたびに、上ずった声が躊躇いもなくあがる。言え、と指示されたのがきっかけになってこらえようとする恥じらいが取り払われたようだった。
「きもちい、にいさ、ァ、ん……っ!きもちいい……あ、あ、も、っと、う、ああ、んんッ……!!ああ、あ、にいさん……みみ、やめっ、あああッ!!」
耳を食みながらペニスの先端や裏筋を重点的に攻めてやると、細い体は無意識に快感から脱げようと体を反らす。少年のその力など意に介さない大人の腕は、それを押さえつけてなお寝間着をさらに緩めて、淡く色づく胸の飾りまで弄んだ。
いろんなところを同時に攻められすぎてドイツの思考は真っ白にショートする。譫言のような言葉ばかりが漏れ出るのをどこか遠い気持ちで聞くことしかできなかった。
「あ、あ、やめ、う、あァ、ん、あ、だめ、きもち、よすぎて、だめ」
身体の奥底で煮えた熱が背筋を通って津波のように頭までせりあがる、そんな感覚が這い上がる恐怖に、思わず兄の腕にぎゅうと縋った。
「ああ、あぅ……あ、くる、おっきいの、が、あああッ、こわい、にいさん、っ……!」
「怖くねえよ、俺が見ててやるから、ほら、イっちまえ」
低く促される声と、屹立の先端に爪が食い込むのと、胸の先端をぴんとはじかれるのは同時だった。ぴりっとした痛みと強烈な快感が完全に頭をスパークさせ、不随意に体ががくがくと震える。
「あ、ああ、だめ、これ、にいさ、あ、あ、ああああ――――ッ!!」
ぴしゅぴしゅ、と先端から断続的に噴き出す精は大きな手のひらで受け止められる。それを見ながらすまなく思う気持ちがちらりと過ったが、達したばかりの熱に浮かされた頭と躰は上手く動かなくて、何も言えないままぽてんと背中を兄の胸に預けた。
達したと同時に襲い掛かる強い疲労は強い睡魔を招く。恰好がすこしみっともないけどもこのまま眠っていいだろうか、と問いたかった声は、先ほど吐き出した精をぬろっと腹に塗り付けられたことでどこかへ飛んで行ってしまった。
耳元ではっはっと熱く荒い呼吸音を聞く。少しだけ落ち着いたドイツ自身のではないそれは、どう考えてもプロイセンのものだ。
「悪い、ヴェスト……眠いだろうけどもうちょっと付き合ってくれ、痛いことはしねえから」
兄の今まで聞いたこともないくらい切羽詰まった声に無言で驚いてから幼いドイツは気づく。自身の尻に、太くてものがはちきれそうな硬さをもっておしつけられていることに。

わけも分からないまま、他でもない兄の頼みだからとドイツはこくんと頷く。その直後腰を抱えられくるんと反転させられた。ドイツがプロイセンの脚を跨いだ状態で向かい合わせになった形だ。
ドイツはそのとき唐突に下半身の服は完全に取り払われていること、そして上半身も寝間着に袖を通しただけの状態であることに気づいてにわかに恥ずかしくなった。
「に、にいさん……」
服を着たい、という要望は「じっとしてろ」という指示で遮られ口を噤む。痛いことはしないという言葉は、つまり本当に嫌なことはしないということだと理解している。ドイツが嫌がることを兄がするとは全く思っていないのでその言葉と指示に従うことにした。なにより、今の状態は恥ずかしいだけであって嫌ではないので。
そんな思考をしている間にプロイセンの唇はドイツの目元に、頬に、首筋に落とされる。いたずらな右手はドイツのはだけた寝間着を邪魔そうにしながら胸・腹、そして背中をかさついた指でなぞっていってくすぐったい。
そんな中目の前でごそごそとやっている左手はズボンを緩め、彼自身の性器を取り出した。
その大きさにドイツはひゅっと息を呑む。臨戦態勢になっている大人のペニスを見るのは初めてだ。だからだろうか。第一印象は『凶悪』だった。赤黒くそそり立ったそれは幼いドイツのものとは色も形も違っていて、同じ男性器とは思えない。
それをプロイセンは自身の左手でしごいている。それをふと、ドイツは手助けしてやらねばと思った。自分がそうしてもらっていたように。直感のままとろとろと蜜をこぼしている先端にそっと触れると、プロイセンはぎょっと目を見開いた。
「ヴェスト、なにしてんだ……!」
兄のそんな動揺に気づくこともなく、子供の片手じゃ到底収まりきりそうにないそれの、先端とそのすぐ裏側をこすこすと早すぎないようにさする。いつもそうしてもらっていたように。そして、ほうと息をついて言う。
「兄さんの、おっきい」
思わずこぼれ出たその言葉は、図らずも兄を動揺させたようだった。ごくりと動く喉仏がドイツの視界の端に映る。そして熱い一呼吸のあと、囁かれる。
「良い子のお口はちょっと閉じてろ。でないと、本当に食っちまうぞ」
いつもよりも掠れた声音で言われたその言葉は少年の背筋をぞわりと撫で上げる。それは捕食される恐怖ではなく、興奮によって。

獣を捕えていた檻が壊されたプロイセンを繋ぎとめているのは、理性ではなく兄としての矜持だ。この美味しそうでたおやかな躰を食い散らかしてしまいたい欲は確かにあるけども、自分の命よりも大事な愛する弟を害する輩はたとえそれが自分自身でさえも許せそうにない。
そんな葛藤があるとも知らず、兄から伝わる熱に酔わされた幼いドイツは、さっき達したばかりの自分のものがまた芯を持ち始めていることに気づいた。
一度抜いてもらったら日にちを置かなければそうならなかったはずなのに、こんなに早く芯をもつなんて初めてだった。けどもきっとこの種の興奮は伝播するのだろうとも思った。自分のを抜いていた兄のものも硬く立ち上がっていたように。
口を閉じてろといわれたのをうるさいと受け取っていたドイツは、プロイセンの耳元に口を寄せてひそめた声で言う。
「にいさん、後でいいから、もう一回おれの、シて」
瞬間、腰に右手を添えられぐいと引かれる。ドイツの幼いモノとプロイセンの反りあがったモノが触れ合い、大きな手のひらがそれらをひとまとめに掴んで擦り上げた。
「ひゃ! あぁ、ッ……!」
急激な刺激に細い背中が反射的に仰け反る。
「あとでじゃなくても、こうすりゃいいだろ。ほら、お前もやれ」
衝撃で離れた手を二つの屹立に添えられ促される。二つ分になってさらに手に余るそれを恐る恐る動かせば、自分にもわりと快感が這い寄った。
「上手いぞ、ヴェスト」
褒められてうれしい気持ちがあふれ、でも何と返したらいいかわからなくて微笑んでみせた。そして震える腕を叱咤して一生懸命に擦り上げる。
硬い二つの肉棒が熱を分け合い、時折ずりゅんと滑ってはまた重なる、未知の感覚は全て快感となって頭を痺れさせる。
「あ、ん……ぅ、ふ、ぁ、あ……ッ!」
喘いでいるのが自分ばかりで恥ずかしいけども、傍で聞く兄の息が荒く早く熱っぽくなっているのも分かって不思議な優越感がまた快感を押し上げた。
「ぅあ、ん……にいさん、きもちい、きもちいい、……っ!っふ、あ……!ねえ、ンっ、にいさんも、きもちい……?」
「ああ、ッは……ぁ、俺もきもちいいぜ。もうイきそうだ……ヴェストも、だろ」
「ん……」
「じゃ、一緒にいこうな」
そういってプロイセンはより一層手の動きを強くする。その快感が強すぎてドイツの手は震えてうまく動かず屹立から離れた。
「にいさん、にいさ、ァ、……っ!」
ごめんなさいと言おうとして、兄の瞳を真正面から見たドイツは初めて気づく。彼の瞳の奥に狂暴な獣が棲んでいることに。その獣が爛々と自分を見つめ、食らおうとしていることに。
その熱量に射すくめられ、背筋を興奮が駆け抜ける。そして躰から力が抜け、くたりと寄りかかった。獣に自身を差し出すかのように。実際そのようだと思った。この誰よりも敬愛する兄なら、こんなやせっぽちの躰でもひとかけらも残さず胃の腑に収めてくれるだろうという信頼があった。
「にい、さ、ん……なら、……ッ、おれを、たべて、いいぞ」
熱に浮かされた譫言のような言葉を、耳に直接囁く。すると一層強く屹立をこすり上げられ、同時に肩にがりっと鋭い痛みが走った。兄がそこに噛みついたと認識した瞬間、完全に頂点まで昇りつめた。
「あ、あ、だめ、あ、ああああッ……!!」
「く、っ……!!」
頭が真っ白く染まって達した、と思ったと同時に腹と胸、そして頬に熱い飛沫がかかったのをぼうっとした頭で認識する。それが兄の精液であることに気づいたのはもう数瞬経ってからだった。

暫し荒い息のみの沈黙がその場に落ちる。そして先に口を開いたのはプロイセンの方だった。
「悪い、痛いことしねえって言ったのに」
そう言ってドイツの肩をそっとなぞる。血までは滲んでなくてもきっとくっきりと噛み痕は残っているだろう。気にしないでくれ、といいたくても疲れと眠気でうまく口が動かず、ゆるく頭を振ってぽてんと兄の肩に頭を預けた。その頭を、プロイセンは汚れていない右手で撫でる。
「あとな、意味も分からないで食っていいなんて言うな」
何を言っているのだろう、と幼いドイツは思う。肩を噛まれたときに自分は確かに食われたと思ったのだ。その行為・その言葉にもっと深遠な意味があったのだろうか。
それでもきっと自分は躰の生殺与奪全てを兄に預けられるだろうという確信があった。
にいさんになら。そう上手く口に出せただろうか。眠気に思考は闇に閉ざされる。その意識と無意識の狭間で、
「大人になってもそう思ってくれるなら、もう一度言ってくれ」
深い声でそう聞こえた気がした。






フォロワさまのお誕生日によせてリク「こるつ」で書かせていただきました。
元々は「普子独のエロが見たい!でも兄さんがこるつに無理矢理無体はたらくやつは嫌じゃ!愛と罪悪感の狭間で揺れ動いてくれ!」というワガママな欲求で書いたものだったりします