ヘタリア 西ロマ西
※西ロマ西言いながら二人は出てきません





仲人Aの証言:
あのふたりのことですか?勿論知ってますよ。彼らを引き合わせたのは他の誰でもない私なんですから。――違いますよ!いらないのを押し付けたなんてとんだ言い掛かりです!
――コホン。今の彼らの関係ですか?元宗主国と属国。もしくは昔馴染みでありながら対等に話し合える一国同士、ですよ。それ以上の関係?無いですよ。数週間前に私が確認をとったときはそうでしたし、こんにちまで伸展したとは思えませんからね。
そりゃあ、気にならないといえば嘘になりますけど。友人というには近すぎ家族のようと言い切ればそうにも見えるけど、お互いに想いを寄せているのは丸分かり。でも、少なくともスペインの方は「あいつは子分やから」と言って自分の気持ちに気づいていないふりをしている……いや、彼のことだから本当に気づいてないのかもしれませんが。
――彼らの後押し、ですか?嫌ですよ、私は!馬に蹴られるはめになるのはまっぴら御免ですからね!



兄弟Iの証言:
気になる?やっぱり気になるよねぇ、あの二人のこと!じれったいでしょ?よかったぁ、俺と同じこと考えてる人が居て!
俺さ、兄ちゃんと長いこと離れてたからあんまりお互いのことよく知らなかったんだ。で、たまに会うとあの二人がお互いに叱ったり拗ねたり言い合いしてるのを見てた。でも険悪な感じじゃなくて仲良しだからやってる、みたいな感じでさ、俺羨ましかったんだよ。同じ関係にあるはずのオーストリアさんはじゃれあってくれるような人じゃあなかったから。やっぱドイツの親戚ってだけあるのか、そういうとこちょっとカタかったのかなぁ?
で、もう少し大人になってから会うと、もうできてるみたいな距離感と雰囲気で。「兄ちゃんにも好きな人ができて好きになってくれる人ができたんだなぁ」ってすっごく嬉しかった!
でも、独立記念日のときになんか憂鬱そうだったから、ずっと一緒に暮らしてたスペイン兄ちゃんと別々に暮らすことになったのが寂しいのかなぁと思ってさ、「恋人同士なんだからいつでも会いに行けばいいじゃん」って言ったらすごい勢いで否定されたんだよ!「あいつはただの『親分』だ、そういうのじゃねえよ!俺らのどこみて云々」あと、なんか罵倒語を色々?
「親分だから」「子分だから」で理由だけで好きな気持ちを明かせないって、俺、違うと思うんだよねぇ。好きな人と好き合えたら、それってとっても幸せなことでしょう?
それに、あのとき兄ちゃんの瞳は恋する人の目をしてたんだもん!



親友Fの証言:
質問?なになに?お兄さんなんでも教えてあげちゃうよ☆ …え、お兄さんのことじゃない?なぁんだ。
――あの二人ねぇ、いいとこ見てるじゃない。嫌でも目に入る?ごもっとも。
あいつらの出会いはオースト……え、それはもう聞いた?じゃあ、それからはずっと喧嘩みたいなじゃれあいが絶えなくて……それも聞いた?じゃあ、いつのまにかくっついてるみたいな……それも聞いたのぉ?お兄さん話すことないじゃん!
うん、それ全部事実。俺が多分一番近くで見てたと思うよ。なんてったって、スペインとは親友だからな!あのときは会うたびにロマーノの愚痴ばっかり言ってたんだぜ。「掃除させたら散らかす」とか「シエスタばっかしよる」とか。でも、それに同意したら「俺のロマーノ馬鹿にすんな」って怒るんだぜ?妬けるよなぁ。
でもそれだけロマーノのことが好きで、でもくっつかないのって男同士だからってのを気にしてると俺は思ってたワケ。あいつ意外とそういうとこマジメだから。でもスペインとこで同性婚法できたときにアプローチかけたのがヴェネチアーノの方だって知って驚いたぜ。本命には声かけらんない、みたいなのかね。俺にもちょっとわかるけど。
今までの距離が家族的すぎてくっつきづらいとか、まだ家族愛と恋愛感情を混同してると俺は睨んでるぜ。あいつらの言動よーーく注意して見てみ?微妙に「ここまでベタベタしていい距離なのか」を量りかねてるみたいなとこあるから。そこが『家族的』じゃない証拠だと思うんだけどね。あんな調子でン百年!よくやるよ!
でもな、近々くっつくような気がするんだよなぁ。根拠?そんなのカンだよ、カン!馬鹿にしちゃいけないぜ、1000年超えの人間観察の結果のカンだ。ソレが俺に告げてるんだよ、『人と人が惹かれ合う力は抗いがたいほど強い』ってな!






『デキてなくて周りから見たら「何でくっつかねえんだよもう!!」見たいな感じで、二人とも「だってあいつは親(子)分だし…」みたいに自分の気持ちに気付いてなくて、お互い照れ照れしてるそんなじれったい西ロマ西』というリクエストでした。長いよへろ氏。
当人たち出てきてませんが全力で西ロマ西のつもりですとも!