ジョジョ3部(?) ポルナレフ+シルバーチャリオッツ
※スタンド視点です なので色々捏造気味注意





シルバーチャリオッツは自意識のあるスタンドだ。正確に言えば本体の成長に合わせて自意識が発達したスタンドだった。故にまだ発展途上であるのか、本体であるポルナレフに言葉や考えていることを伝えられないでいる。強く気高い騎士の姿をしていても心の部分は子供のようにまとまらず、それは本体の未熟な部分の投影なのかもしれなかった。

チャリオッツはスタンドとして発現する前から、ポルナレフを幼い頃からずっと見てきた。やんちゃだった少年時代や、両親の死をきっかけとする修行の日々、妹の死と復讐の旅、そして長く短いDIO討伐の旅と友人達の死を超えてずっと今まで。チャリオッツはそれら全てを見てきて、たった二十余年で大事な人たちを亡くし続けた人生だと思う。
ポルナレフ自身は明るいお調子者だしあの旅を「楽しかった」と言ってのけるほどに前向きな人物だ。でも時々そのブルーグレーの瞳が寂しげな色を見せるたびにチャリオッツはいてもたってもいられなくなる。「わたしがずっと一緒にいるから、あたなは孤独じゃない」と言ってきかせたくなるのだ。

なんだか嫌な予感がして本体の意向を少しだけ無視し発現してみれば、ポルナレフは「どうした?」と訊ねる。その声が案の定潤んでいたから、予感が当たっていたことを悟った。
どうすればいい?どうしたらその寂しさを埋めてあげられる?どうしたらこんなにもあなたを想っていることを伝えられる?本体に伝わるような言葉を持たないチャリオッツはそれがわからない。
とりあえず意識が赴くままにポルナレフを抱きしめた。行動におこしてから、この硬い鎧がポルナレフを苦しめてやしないか、金属の冷たさが無為に体を冷やしてしまっていないか心配になった。銀の甲冑はポルナレフの、そしてチャリオッツの誇り高さの表れだから嫌だと思ったことなど欠片も無いが、こういうときばかりは人間のようなやわらかさとぬくもりがあればいいのにと思う。しかしこういったボディーランゲージ以外にチャリオッツは想いを伝える方法を知らなかった。
しばらくして、カチャと金属同士がぶつかる音と撫でられた感触がした。伺い見れば、やはり涙の痕は残ってはいたものの口元は緩やかに笑みを浮かべていた。「ありがとな」と傍で声がした。
チャリオッツは抱きしめる腕に力を込める。こうすることでポルナレフの心の隙間が少しでも埋まるなら、彼にとってそれが無上の喜びだった。






タイトル拝借元:創作者さんに50未満のお題
スタンドと本体の絡みって無限の可能性が見える気がする!本体の分身だけど必ずしも道具じゃないあたりとか。
要するに主人にかしずく人外がSU☆KI!