ジョジョ5部 ペシプロ
※プロシュート兄貴はどの角度から見ても超美しくてかっこいい完璧超人だよ!って思ってる方は読まないほうがいいかもです





目的のためなら手段を厭わず、与えられた仕事は確実に成功させる。演技のための笑顔は必要ならば作り、冷酷な暗殺者の顔もでき、当然覚悟など決まりきっている。容姿端麗でスタイルもセンスも頭も良く、金もそこそこ。漢気を凝り固めて形にしたらこんな風になるんじゃないかというようなプロシュートという人間は、ギャングとしても暗殺者としても男としても一人前だ。
しかしその彼が、見た目ほど完璧でもないのをペッシが知ったのはそう近くもない過去だった。



昼下がり雑誌を読みながらうつらうつらしていたペッシは前方からの急な衝撃に気づいた。うわ、と言いながら目を覚ますと見慣れたブロンドが間近の視界に入る。一昨日から仕事に行っていたはずのプロシュートが、正面からペッシの首っ玉にかじりつくようにしがみついていた。
「リーダーからは帰りは明日ぐらいって聞いてたんすけど…おかえりなさい、兄貴。おつかれさまでした」
「ただいま。――あーもうほんっと疲れた!つっかれたー!もう行きたくねえ!充電させろ、充電」
「はいはい」
このまま梃子でも動かなさそうなのを察して、ペッシはプロシュートの結われた髪を解く。大体の肉体労働やスタンド使用の仕事には弱音を決して吐かないプロシュートは、精神労働――殊『愛想を振りまく』仕事が大の苦手だった。『可能』であることは必ずしも『得意』であるとは限らないということを体現していた。
「あのクソリーダー、オレをストレスで殺す気じゃねえだろうな……」
「しょーがないじゃないっすか、女からの諜報が『できる』のはホルマジオと兄貴しかいないんですから」
「そんな事ァ知ってら。でも何度あの化粧まみれの顔を皺くちゃにしてやろうと思ったかしれねえ」
憤懣やる方ないのか腕に力がこもる。
「兄貴、兄貴、首絞まってます……くるしい…」
「あ、悪ィ」
「そうだ、時間もちょうどいいんでシエスタします?」
「うー…動きたくねえ」
「オレも一緒に寝るんで」
「なら許す」
プロシュートの声音が明らかに上機嫌になったのに気づき、ペッシも釣られて笑む。そしてそのまま抱え上げるように立ち上がった。
「じゃ、ベッドに移動しますね」
「おー……――マンジャーレ・カンターレ・アモーレで生きてえもんだよなぁ」
「そういうわけにもいかないの、兄貴も知ってるでしょ?」
「疲れてるときくらい夢見させろ。だからオメーはマンモーニなんだ」
「そのマンモーニにだっこされてるの誰っすか、ほんとにもう」

寝室に着いてふたりしてベッドに倒れこむ。『充電』がいつ終わるかなどどちらにも分からないが、それまではこのほぼゼロ距離の時間が続くだろう。プロシュートが疲れて帰ってきたときはいつもそうなのだから。それが厭わしくないほどに彼らの心の距離もゼロに近かった。







疲れた日に兄貴を疲れさせたら一通り満足しました。ネタができたよ!やったねたえちゃん!
それにしてもこのペッシの包容力パネェな。