ジョジョ5部 プロペシ
※ペッシが先天的に女体化してる上にいろいろ捏造です
※でもあんまり口調・一人称などは変えてない(つもり)です





「今日からこいつがお前の部下だ」
リゾットがそう言って連れてきたのはどこにでもいそうな少女だった。更に言えば、田舎から出てきたばっかりで不安げで気の弱そうな野暮ったいとも言える少女だった。
「ほら、お互い挨拶し――、なんだプロシュート」
一応彼女に気を遣い、リゾットをひっぱって少し間を空けてプロシュートは耳元で器用に小声でがなった。
「誰が部下だって?あ゛ァ?」
「プロシュート…うるさい…。いや、お前弟分がほしいって言ってただろう。だから連れてきたんだが」
「で、なんでそこらへんのおのぼりさんを誘拐することになったんだって訊いてんだよ!」
「失礼な。あれでも組織<うえ>から紹介されたスタンド使いだぞ。ギャング歴はほぼ無いに等しいが」
「ああ…どうりで……。ってか、オレは『弟』分がほしいっていったはずなんだがな」
「ん?男だろうと女だろうとさほど変わらんだろ」
「……オレ、オメーのそういう寛容っつーか鈍感っつーかデカいとこ、時々尊敬するぜ。絶対見習いたくはねーけどな」
そう言ってプロシュートは少女の方を見遣る。一言も発さない彼女はおろおろとあちこちを見回していた。その様子は、これから人を殺すことを生業にする職業見習いにしてはあまりにも不出来に見えた。



「――き、あにき。だいじょうぶですか?」
その声にプロシュートは目が覚める。覚めるといってもあまりにもぼんやりとした思考回路で、すぐさま風邪で寝込んでいたことを思い出した。一人暮らしなのだから、熱を出した旨をリーダーに報告して適当に薬を飲んでひたすら寝るのが今までのプロシュートの行動だったのだが、今は妹分であるペッシが甲斐甲斐しく看病してくれている。
「おかゆができたんで持ってきたら、すごいしかめっ面で眠ってて、気になって起こしちゃったんですけど…」
「ああ、昔の夢を見てた。お前がうちのチームに入ったときのな」
「あのときの、ですか…。何をしたらいいかわかんなくて怖かったのだけ覚えてます…。なんか恥ずかしいなぁ」
弟分という名の部下ができたあかつきには教育もしつつコキ使ってやろうと思っていたプロシュートは、思いもかけない『妹分』にそうする訳にもいかず――これでも彼は仕事以外ではイタリア男らしくフェミニストなのだ――叱る時は出来るだけ手も足も出さないように叱り、甘やかすときには徹底的に甘やかして妹分を育てていた。そういった愛情の傾け方が恩を返されるような形でこの状況に繋がっているのかと思うと、さほど長くも無い間柄でありながらかなり感慨深い。
「兄貴、これ食べれますか?あと着替えが要るなら持ってきますけど」
夢の中では黙りこくって視線を泳がせていた少女は今、少しだけ幼さの抜けた顔でこちらをまっすぐに見つめて問いかけている。
「オメー、ほんっと、何でモテねえかなぁ!こんなにいいこなのに!」
言いながらプロシュートは、頭のてっぺんでまとめられたペッシの髪を乱暴にくしゃくしゃと撫で回す。もーやめてくださいよー、と言いながらペッシは逃げる様子も無い。
「オレは、兄貴さえ元気で傍にいてくれればそれでいいんすから」
ちょっとだけ気の強そうな笑顔で彼女は言う。病人を元気付けるために言った言葉なのだろう。それでもその表情に心がぐらりと揺らぎそうになったのは、病気故に心が弱っているからか、それとも。






「兄貴とペッシで女体化(女体化するのはどちらでも)」というリクエストでした。こちらはマンモーナver。
ペッシがおんなのこでも兄貴はおでこコツンをやるんだろうか…。