鬼滅 不死川兄弟 ※ モブ隠メイン 貴方が不死川玄弥様、ですよね? よかった、はい、隊服の修復が仕上がったのでお届けに参りました。寸法は合っていますでしょうか。 ――そうですか。それでは裾をお直しいたしますね。もう数日お待ちください。ではもう一度測定しなおしましょうか。 ふふ、いえ、ほんとうに兄弟なのだなあと思いまして。同じような話を何年か前に貴方のお兄様、当時は柱になる前であった風柱様としたものですから。 何年前だったでしょうか。ああ、そう、丁度実弥様があなたくらいの歳だったと思います。5,6年前でしょうか。よくあることなのですが、あの方の隊服がひどく損壊しておりまして、それを修復する役目が私に任されました。 ご存知の通り隊服は特殊なで頑丈な繊維でできていまして、特殊ということは希少で手に入りにくいということでございます。当時大規模な討伐任務がなされたばかりで、隊服用の布が枯渇しておりました。つまり布の供給に時間がかかるということです。あのときは布のが十分な量手に入るまで三カ月程かかりました。 それですぐに隊服を仕立てて持っていって、試着をお願いしたのです。すると実弥さまが「きつい、他の隊士のと間違えてるんじゃないか」とおっしゃるんですね。慌てて確認したのですが、確かにあの方の服で間違いなく寸法も狂っていない。けど目の前にいらっしゃる実弥さまの体格の目測と服の大きさが確かに違っていて、改めて寸法を測らせてもらいましたら、三カ月前採寸したの寸法とまるっきり違っていたんです! 身丈は三寸以上も伸びてらして、腿や腕の太さも胸の厚みも、まるっきり別人のように大きくなってらっしゃったんです。 鬼殺の剣士の皆さまは伸び盛りの年頃の方も多いので測定したときと試着したときの身体の大きさが違うなんてこともよくあったのですが、実弥様ほど短期間で大きく変化なさった方は私は見たことがございません。何か特別な身体を持っていらっしゃるのでしょうね。 玄弥様もここ数ヶ月でとても成長なさっているものですから、きっとそういう家系なのでしょう、と思った次第です。 それから、ですか? 袴の方は幸い元から丈に余裕をもって仕立てておりますのでなんとかなったのですが、詰襟がどうにもならなくて。でも実弥様は、ほら、あなたもご存知の通り短気で一刻も早く鬼を狩りに行きたがっていたものですから……あのですね、ふふ、その場で袖を肩から切り落として腕が通るように指示なさいまして、胸囲が足らない分は釦を留めず、その場にあった普通の羽織を着るという形になりました。 ええ、今のあの着こなし方です。あの後きちんと寸法の合った隊服を一から仕立てなおしたのですが、結局あの形が気に入られたようで、我ながら即興の調整能力はなかなかだったのかしら、なんて思ったりして。ふふ、これは余談でしたね。 少し話し過ぎましたか。測定も終わりましたし私はこのあたりで失礼いたします。 ――それはようございました。私が存じ上げている範囲での風柱様のことなら、いくらでもお話いたしますよ。それでは、また。 玄弥くんは鬼喰いしてたからでかい説あるけど、お兄ちゃんが179あるんだからそうはならんやろ……と思って書いたやつ。 |