刀剣乱舞 長谷部+明石





悪夢のような100時間が終わった。迫る期限、心もとない資材、着実に減っていく依頼札…。本丸の経理を一任されていた長谷部には胃が痛い100時間であった。
しかし彼の努力の甲斐あってか、時間ギリギリではあったものの資材を枯渇させることなく無事数珠丸を本丸に迎えることが出来、事後処理として綿密な遠征スケジュールを組んだために減った分の7割ほどは資材を回復させることができた。
「あああああほんとよかった!長谷部本当ありがとう!君がいなかったらとっくに資材ゼロになってたよ!さすが本丸一のしゃちk……働き者!」
今までで一番といっていいほ悪夢のような100時間が終わった。迫る期限、心もとない資材、着実に減っていく依頼札…。本丸の経理を一任されていた長谷部には胃が痛い100時間であった。
しかし彼の努力の甲斐あってか、時間ギリギリではあったものの資材を枯渇させることなく無事数珠丸を本丸に迎えることが出来、事後処理として綿密な遠征スケジュールを組んだために減った分の7割ほどは資材を回復させることができた。
「あああああほんとよかった!長谷部本当ありがとう!君がいなかったらとっくに資材ゼロになってたよ!さすが本丸一のしゃちk……働き者!」
今までで一番といっていいほどの感動と感謝の言葉をさにわから貰えたことは長谷部が後生大事にしたい思い出だ(さにわが言いかけた言葉の内容は気になったが無礼かと思い訊いていない)

さて、嵐のような忙しさがひと段落して、長谷部に休暇が与えられた。
さにわにはっきりと言ったことはないが、長谷部の苦手なもののひとつが『休暇』である。戦にしろ資材管理にしろ、何かと忙しく働いていたほうが気持ちが楽なのだ。働いてはいけない時間というものが与えられるとどうあつかったらいいかわからず持て余してしまう。
「君ってまるでマグロのようだね・・・・・・回遊魚的な意味で、だよ?」とは青江の言だ。(否定はしないがなんとなく気に障ったので後頭部を軽くひっぱたいた)

余計なもののない自室でじっとしているのにも限界があるので、長谷部は本丸をうろついて何かすることがないか探すことにした。
内番は充分に人手が足りているし、洗濯や庭の掃除も丁度終わったところらしい。
途中で博多とすれ違ったついでに小判箱の開封を手伝ってから厨を覗くと、滅多にここでは見かけない細長い影が見えた。
「明石、ここで何をしている」
「ああ、長谷部はん。ちょお探し物してるんですけど、心当たりありませんか?」
「探し物?」
「おかしのレシピ本探してるんですわ」
「作るのか。お前が……?」
普段からヤル気ないのが売りとか言っている彼がわざわざそんな面倒なことを進んですると思えず、長谷部が怪訝に睨めば、明石はへらりと笑う。
「蛍丸絡みならヤル気出す言うてますやん」
曰く、最近蛍丸の元気がないとの話だった。とはいえ、体調を崩したなどではなく、いつも舞っている誉桜が消えた程度のことなのだが。ここのところ池田屋1階への出陣が続いて、不慣れな戦場で気疲れしたそうだ。
そこで蛍丸に元気を出してもらおうと何か欲しいものがないか聞けば「プリンが食べたい」とかえってきた。それに便乗して愛染が、本丸初期の頃に食べた手作りプリンがいいと言い、蛍丸もそれに同意した。
「という訳でして」
「ふむ、懐かしいな。久しく作ってなかったな」
「え」
「あのころプリンを作っていたのは俺だ。レシピの場所は忘れたが、内容ならまだ頭の中に入っている」
「えええええええええ!!」
「煩い!」
「嘘やん……」
「嘘なものか。規定通りに作業すれば同じものができる分、料理より簡単だ」
「へえ、そういうもんなんですか」
「持論だがな」
言いながら長谷部は冷蔵庫から卵や牛乳を出していく。
「あれ、手伝ってくれはるんですか?」
「本が行方不明な以上、俺が手を貸す以外ないだろう」
「それはそれは……えろうすんません」
「時間が余っているだけだ」
「いやあ、あんたとはぜーったい相容れないと思ってたんですけどなあ」
「奇遇だな。俺もそう思っていたし、考えを変える気はない。たまにはそのやる気を職務に回せ」
「それはできない相談ってやつですわあ」



本丸一の社畜とニートが共に厨に立ったというニュースは瞬く間に本丸中に広がり、「和睦記念日」などと称された。
それを耳に入れた二人が揃って苦い顔をしたのは言うまでもない。






長谷部&明石国宝指定記念日3/31に支部で上げてたものでした。
審神者と初期刀が根っからの文系で、逆にへしは数字に強い本丸のようですよ(本文にいれそこねた)