刀剣乱舞 日本号×審神者

※ 創作男審神者注意





演練施設の片隅にはひっそりと、知る人ぞ知る集会所がある。刀剣男士への愛を斜め上にこじらせた審神者がふらっと訪れては「うちの子」に言えないことを話している、そんな場所である。
端的に言えば、誰々の雄っぱいに埋もれたい、だとか、誰々の太ももが眩しすぎてひたすら撫でたい、だとか、そんな欲求を「王様の耳はロバの耳」するという、そんな場所である。
かの下戸の審神者もその集会所の常連だった。

がちゃ、と音がして件の審神者が姿を現す。
先客の「おつかれー」という声も振り切る勢いで彼は定位置にあるクッションに駆け寄って飛び込む。
「ああああああああああああもおおおおおお号さんんん!!好きいいいいいいい!!」
唐突な叫びにもここの住人は慣れっこであるので、驚くこともなく対応する。
ある者は「今日も元気だねえ」と笑い、
ある者は「ノロケの気配を察知」と茶々を入れ、
ある者は「でかい子もいいけどちっちゃい子もいいよ!」と文脈のない布教をし、
ある者は「かけつけ一杯どうだい?」と酒の入ったグラスを差し出した。
この好き勝手になんでも言う無秩序さがここの持ち味であり居心地の良さの根源である。だから彼はここに度々訪れるのだ。
「ノロケじゃねえし!あとアルコールはほんと勘弁してください死ぬ」
「そっか、美味しいのに」
そう言いながらグラスをひっこめた審神者に彼は言う。
「そんくらい呑めたら号さんと一緒に楽しく呑めるのになあ」
「低コストで済むしいいじゃん?グッと呑んでガッと酔って勢いでさっさと抱かれてこいよ」
「酔った勢いとか絶対後悔するから嫌だわ……あと抱かれるより抱く方がいい」
一瞬の沈黙がその場に落ちる。
「えっ」
「えええ…」
「まじで?」
「それはギャグで言っているのか」
その場にいた審神者たちから驚きの声が上がる。
「えっ、そりゃあ男だし……」
絞り出すように言えば、
「あんだけうじうじしておいて」
「乙男<オトメン>がなにをいう」
「向いてない、やめとけ」
口々に否定の声が上がった。
「え、そんなダメかな」
「駄目だろ」
「俺がんばるし」
「あんたが頑張ってる間、日本号はもっと頑張ってるだろ」
「うわああ勝てる気がしねえ」
「諦めちまえよ」
肩をぽんと叩かれてそう言われても、なお諦めきれない下戸の審神者は唸りながらクッションに突っ伏すのだった。






身内ネタ臭の強い番外編その2。
自分を攻めだと思ってる受けって可愛いよね。