日記再録・会話小ネタ・短文
普独・ギャグ
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芋兄弟姉妹・ギャグ
普独・ほのぼの




普独・ギャグ


ゲルマンおじいちゃんにお遣いを頼まれて、赤ずきんをかぶったむきむきのルートヴィヒが貴族の家に行くと、そこにはどういうわけか犬耳をつけたギルベルトがベッドで我が物顔で寝そべっていました。

「なあ兄さん、なんでそんなに耳が大きいんだ」
「ヴェストの素敵にエロい声がよく聞こえるようにな」
「なあ兄さん、なんでそんなに目が爛々と輝いてるんだ」
「可愛い可愛い最愛の弟がここにいるからだ」
「なあ兄さん、なんでそんな風に腕を広げているんだ」
「いつでもお前を受け止められるようにさ」
「なあ兄さん、なんでそんなに股間が臨戦態勢なんだ」
「いつでもヴェストを(性的な意味で)食えるようにさ!」

そういうや否やギルベルトがルートヴィヒにおそいかかりましたが、次の瞬間ルートヴィヒが背負っていた猟銃の銃口がギルベルトの眉間にぴたりとあてられていました。




やまもおちもいみもない。書きたいものをかいただけ。

up/09.02.23





普独・ギャグ


「食材も買ったし、ビールも買ったし、上等のヴルストも手に入ったし!あとは帰るだけだな、ヴェスト」
「あれとこれと…、うむ、これで全部だ。あ、いや待ってくれ。ちょっと薬局に用がある。荷物多いし兄さんは先に帰るか?」
「いや、付き合うぜ」


「胃薬補充したし、帰ろう兄さん。……どうした?そんなところで立ち尽くして」
「あ゛ー…ちょっと嫌な事思い出してただけだ」
「これはコンドームか。しかもXSって、俺も兄さんもこんなサイズじゃないだろう」
「まあな。東側に居た時さー、毎日毎日手作業でXSサイズのゴム作らされたんだよ。文句言いたくても迂闊に逆らえねえし。あんなに山ほど作るなら専用の機械でも作りゃいいのに『自国で使わないものを機械生産するなんて、そんなサービスロシアにはないよ☆』とか言いやがって!自国で使わないなら何のために作るんだって訊いたら、アメリカへの嫌がらせだとよ!嫌がらせでわざわざこの百戦錬磨のプロイセン様使って単純作業させるか普通!ああ今思い出してもムカつくぜあンのマフラー野郎おおおおおお!!」
「愚痴は家でたっぷり聞いてやるから、公共の場所で大声出すのは止めてくれないか兄さん」


(…世界一を豪語するあいつがXS、か。あまり考えたくないことではあるが)




本家のアメリカ流に相手のヤル気を削ぐ漫画に準じたつもり

09.03.11



普独・ギャグ


フィンのおうちで『奥様運び大会』の亜種・『兄弟姉妹運び大会』が行われるとききつけたゲルマン兄弟。

普「なぁ、俺が運ばれる側なのはいいとしても、この格好はどうなんだよ」
独「エストニアスタイルが嫌だと言ったのは兄さんじゃないか」
普「アレよりはマシだけど、ファイヤーマンズキャリーもどうかと思うぜ。なんか俺が要救助者みたいじゃねーか!」
独「注文が多いな…。慣れや動き方を考えてた上で優勝を視野に入れての決定だ。商品の「体重分のビール」が欲しくはないのか」
普「そりゃあ欲しいぜ!でも、『全ての参加者はとにかく楽しまなければならない』がルールだろ。つまりは規則だ。俺はこの格好で楽しめる気がしない!」
独「そうか、規則か…。ならば兄さんはどのスタイルなら楽しめるんだ?」
普「……だ…」
独「どもるな。よく聞こえない」
普「あーもう!お姫様抱っこがいいって言ってんだよ!!」
独「つまりは横抱きか。ならばそれで優勝が狙えるように努力しよう」
普「え、いいのか…?それでこそ俺のヴェスト!楽しみにしてるぜ」



「兄様運び」独普兄弟の有力対抗株は、にーにか祖国様を運ぶ湾ちゃんだと思われます。
09.04.10





芋兄弟姉妹・コメディ

※ 東西芋兄弟姉妹が同じ家に住んでる設定



ある昼下がりのバイルシュミット邸。
ユールヒェンとモニカはリビングのソファで雑誌を読んでいて、ギルベルトは同室の椅子に座ってスマホをいじっていた。ルートヴィッヒは自室で持ち帰った仕事をしている。

ふいにギルベルトが、お、と声を上げ、ユールヒェンに近寄った。
「なあユール」
「なに」
「お前ってコレできる?」
そう言って持っているスマホの画面をユールヒェンに向ける。それを見た彼女は、心底呆れた、という顔をこれでもかというほど作った。(ギルベルトは自分がよくウザイと言われていることを知っているが、彼女のこういう顔も相当煽り力高いと思っている。言わないが)
「あんた、何見てんの。てか何見せてんの」
「いや、こんなタグあったら、そりゃあ見るだろ」
「まあ見るけど」
「だろ?」
「えー……うーん……?」
ユールヒェンは改めてまじまじと画面を見つめ思考する。
「コレみたいに薄着でスマホならワンチャン?」
「おお、マジか」
「てかこういうのならモニカに訊けよ」
「俺様が訊いたらセクハラじゃん」
「あたしはいいのかよ」
「だってユールだし」
「そうだけど」
「だろ?」
「あんたが訊いたらセクハラだけど、あたしがやったらイケるな」
「お前天才かよ」
「当たり前よ、褒めていいぜ」
そんな暇人二人のよくわからない会話を近くで聞いていたモニカは、じとりとねめつける。
「兄さん、姉さん、聞こえてるんだけど」
「聞いてたならちょうどいいな。ちょっと付き合ってもらうぜ」
同意も得ずユールヒェンはにこっと笑い、モニカは眉間の皺を深めた。
「変なことなら私はしないからな」
「たいしたことじゃないって。――ちょっとこっちきて、座ったままでいい、背筋伸ばして、ちょっと胸張る感じで、そう」
しないと言っておきながらも姉の迷いのない指示に従うことに慣れているモニカは、言われるままの姿勢をとった。

「ん、これは余裕だな。ギルベルト」
「はいよ」
ほんの僅かなやりとりでもって、ギルベルトはユールヒェンの望むものを手渡した。つまりは、サイドボードに置いてあった眼鏡を。
そしてユールヒェンはそれをおもむろにモニカの胸の上に載せた。モニカの豊かな胸はそれをしっかりと受け止め支え、落ちる気配はみじんもない。
「「おお……」」
「…………何をしているんだ」
「「たわわチャレンジ」」
普段はしょうもない喧嘩ばかりしている兄と姉は、こんなときばかり息ぴったりに声をそろえる。
「なにそれ」
「見ての通りだ。胸の上に物が乗るかどうかっていう挑戦だな。しっかりあるそそうやって物が乗るし、逆にぺたんこだとすとんと落ちるって寸法だ」
ギルベルトが説明している間にユールヒェンは自分のスマホで眼鏡が載ったモニカの胸を写真と動画で撮っていた。
「くだらないことを……」
「なにがくだらないもんか!滑りやすい服の上から、接着面積の少ない眼鏡を支えられるのは本物のたわわだ!その素敵なおっぱいは我らゲルマン民族の宝だぞ、誇っていいぜ」
ユールヒェンがぐっと親指をたてて自信満々に言うのを、モニカは「主語がでかい」と切り捨てた。
「ユール、あとでそのデータこっちに送れ」
「承知」
「念のため言っておくけどネットに上げたりなんかすんじゃねえぞ」
「当たり前だろ、モニカのおっぱいはあたしたちのもんだ」
「ならよし」
「ならよし、じゃない。私の胸は私のものだ」
何かが通じ合っている暇人二人を前に、モニカは深くため息をつく。

そしてリビングの扉近くで、彼女と同じ表情でため息をつく者がもう一人。
「ところでそろそろ俺の眼鏡を返してくれないか」




たわわチャレンジなるものを知ったとき、モニカっぱいなら余裕でクリアできる!と思ったので。

17.7.11





普独・ほのぼの


最近の兄の流行り事は、絵を描くことなのだろうか、とドイツは思っている。
クロッキー帳にがりがりと何かを描いては唸り、ページを捲ってまた描いては唸って、ということを繰り返していた。
「何を描いているんだ?」とのぞき込もうとすると、あわててクロッキー帳を抱えて隠し、「ケセセ、ひーみつ!」と言うものだから深追いはしなかった。手先の器用な兄のことだから好きなものを描いて楽しんでいるのだろうと思ったからだ。

そんな一時のブームが過ぎて少しした頃、プロイセンがにやにやとしながらちょいちょいと手招きした。
「なんだ?」
「ちょっと贈りたいものがあってよ。手、出せ」
「贈りたいもの?」
言われるままに手のひらで器をつくるように両手を出せば、その片方、左手だけを取られる。そしてその薬指にするりと滑り込ませるようにリングをはめられた。
軍服の襟元につける鉄十字と同じ意匠に蔦が絡んだようなデザインのそのリングは、ドイツの白い手によく映えるつややかな黒で、華奢なようにも見えるけども簡単には壊れないような丈夫な作りであることがすぐに分かった。
「これは……?」
「ペアリング!俺たち、一緒に住んだ後にコイビトになったからさ、贈るタイミングなかったよなーって思って」
手の甲をかざしたその薬指には、そっくり同じデザインの指輪があった。
「もしかして、兄さんがこれを?」
「そうだぜ!このへん俺様の得意分野だからな!こっちの指輪の裏側にはサファイヤ、そっちにはルビーはめこんであるんだぜ!ちっちゃいけどな。俺とお前の目の色!」
そういってプロイセンは自分の指輪を外し鉄十字の裏側を見せると、確かにそこにちかりと光る青い宝石があった。
彼が器用なのは知っていたが、まさかこっそりとこんなことまでするなんて本当に予想外で、薬指を眺めながらしばし呆とした。
それきり何も言わない弟に、プロイセンは首をかしげる。
「どした?気に入らなかったか?あー、お前外出るもんな。恥ずかしいか。中指用にサイズ変更しようか」
そう言ってリングを抜き取ろうとする手を、あわててドイツは押さえて止める。
「いや、違う!待ってくれ。その、嬉しくて、びっくりして、言葉を失っていただけだ。上手く言葉がみつからなくて。ああ、ほんとうにうれしい。ほんとうに。ありがとう、兄さん」
押さえた手に指をからめ柔らかく握る。そして薬指にはめ込まれた宝石と同じいろの目にそっと唇を落とした。



フォロワさんがじゃんぷらのアクセづくりできる兄さんを見て「絶対ペアリング作ってる!」って言ってたので。
最近の兄さんはほんとなんでもできるスーパーマンすぎて惚れる。
17.09.04