日記再録・会話小ネタ・短文
日+独・ギャグ
普独・ギャグ
普独・ギャグ
枢軸・ギャグ
仏・シリアス



日+独・ギャグ


日本は頬を赤らめて、意を決したように声をかけた。
「あの、ドイツさん」
「なんだ?」
重大な発表でもあるようなその面持ちにドイツは少々構えたが、日本の口から出た言葉はあまりに簡単なものだった。
「こんなお願いするのも変なんですけど…、あのっ、いっぺん飛びついてみてもいいですか」

ドイツはその体格故にどことなく好かれることがあった。例えば年上のくせにとんでもなくへたれなイタリアに飛びつかれたり、兄に腕枕を要求されたり。
どうやら、大人になって忘れていた「子供のように安心して体を預ける気持ち」を思い起こさせるのだそうだ。もちろん当事者たるドイツには察する事のできない気持ちではあったのだが。
そして、彼等の無茶振りに比べれば日本の提案は簡単なことだったのでドイツは快諾する事にした。
「いいぞ。どちみちイタリアは毎日やってることだしな」
日本はいつになくきらきらした目でドイツを見つめ返す。
「ほ、本当ですか! では、お言葉に甘えて…」

日本は助走をるように距離をとる。そして。
たたたた… がばっ
「ニャンまげ!!」
「ニャンまげ?!」




ニャンまげにとびつこう!

up/09.02.17





普独・ギャグ


ゲルマンおじいちゃんにお遣いを頼まれて、赤ずきんをかぶったむきむきのルートヴィヒが貴族の家に行くと、そこにはどういうわけか犬耳をつけたギルベルトがベッドで我が物顔で寝そべっていました。

「なあ兄さん、なんでそんなに耳が大きいんだ」
「ヴェストの素敵にエロい声がよく聞こえるようにな」
「なあ兄さん、なんでそんなに目が爛々と輝いてるんだ」
「可愛い可愛い最愛の弟がここにいるからだ」
「なあ兄さん、なんでそんな風に腕を広げているんだ」
「いつでもお前を受け止められるようにさ」
「なあ兄さん、なんでそんなに股間が臨戦態勢なんだ」
「いつでもヴェストを(性的な意味で)食えるようにさ!」

そういうや否やギルベルトがルートヴィヒにおそいかかりましたが、次の瞬間ルートヴィヒが背負っていた猟銃の銃口がギルベルトの眉間にぴたりとあてられていました。




やまもおちもいみもない。書きたいものをかいただけ。

up/09.02.23





普独・ギャグ


「食材も買ったし、ビールも買ったし、上等のヴルストも手に入ったし!あとは帰るだけだな、ヴェスト」
「あれとこれと…、うむ、これで全部だ。あ、いや待ってくれ。ちょっと薬局に用がある。荷物多いし兄さんは先に帰るか?」
「いや、付き合うぜ」


「胃薬補充したし、帰ろう兄さん。……どうした?そんなところで立ち尽くして」
「あ゛ー…ちょっと嫌な事思い出してただけだ」
「これはコンドームか。しかもXSって、俺も兄さんもこんなサイズじゃないだろう」
「まあな。東側に居た時さー、毎日毎日手作業でXSサイズのゴム作らされたんだよ。文句言いたくても迂闊に逆らえねえし。あんなに山ほど作るなら専用の機械でも作りゃいいのに『自国で使わないものを機械生産するなんて、そんなサービスロシアにはないよ☆』とか言いやがって!自国で使わないなら何のために作るんだって訊いたら、アメリカへの嫌がらせだとよ!嫌がらせでわざわざこの百戦錬磨のプロイセン様使って単純作業させるか普通!ああ今思い出してもムカつくぜあンのマフラー野郎おおおおおお!!」
「愚痴は家でたっぷり聞いてやるから、公共の場所で大声出すのは止めてくれないか兄さん」


(…世界一を豪語するあいつがXS、か。あまり考えたくないことではあるが)




本家のアメリカ流に相手のヤル気を削ぐ漫画に準じたつもり

09.03.11





枢軸・ギャグ


「今日は日本の大衆文化の一つ、耳掃除についてお教えします」
「耳掃除なら世界各国でやっている筈だが、西洋と東洋では何か違うのか?」
「ええ。日本では、この頭に綿の付いた薬匙のような器具で掃除します」
「おもしろいねー。俺んちの周り、っていうかヨーロッパの方では綿棒が一般的だよ」
「それでさっぱりするのか不思議ですね…。もちろん耳掃除は一人でも出来ますが、床に座る文化のある我が国では、一人が正座をしてもう一人がその太股に頭を預けて寝転び―これを膝枕といいます―正座をしている人が耳掻きをしてあげます。もっとも、これはある程度親しい仲でのみ行われるので、好きな娘に耳掻きしてもらうことは日本の男性諸氏の夢であり、漫画アニメゲームで好まれる萌えシチュの一つであります!」
「そ、そうなのか(後半やたらと力が入ってるな…)」
「せっかくなので、どうですか?」
「ヴェー、やってやってー!でも俺の頭重くない?足しびれない?」
「私は慣れてますので。遠慮せずどうぞここへ」
「ありがとー!」
「……っ!!」
「日本、イタリアの耳がどうかしたのか?」
「い、いや余りにも見慣れない光景でしたので」
「どれどれ…、ん、普通じゃないか。やや耳垢溜まりすぎなきらいはあるが」
「これが普通、ですか… 私もまだまだ勉強不足ですね。すいませんがドイツさん、綿棒を持ってきていただけませんか。あの戸棚の上から三番目ですので」
「承知した」




アジア人の耳垢はドライ、欧米人はウェットという話

09.03.12





仏・シリアス


あなたの民は、あなたが健やかでいてくれることを願って戦っているんです。
だから、笑ってください。貴方の笑顔で私達はいくらでも元気になれるんですから!

俺にそれだけ言い残して彼女は逝った。

ああ、お前より美人な女なんていくらでもいるのに、お前より気立てのいい女なんていくらでもいるのに、お前ほど愛した女はこのやたらと長い人生で一人としていなかった。
おまえのその人生、人間にしたって短すぎやしないかジャンヌ。


でも愛した女の最後の願いを叶えられないなんて、男が廃る。
お前は神に愛された乙女だからきっと空の彼方にいるんだろう。
だから俺は空に向けて笑った。
胸が痛くてそれを我慢して無理矢理笑ったから、今にも泣きそうな笑顔なのは自分でも分かった。


なあジャンヌ。お前に救われたこの命で、俺は笑ってしぶとく生き続けるよ。




時代考証は一切しておりません。

09.03.13