文章修行家さんに40の短文描写お題
10.04.17-29
制限:お題に沿って65文字以内で場面を描写
配布元:http://cistus.blog4.fc2.com/
※ジャンル・カプ・パラレル混在注意

ヘタリア
バサラ
封神
その他



ヘタリア



01. 告白 伊→神ロ
「何百年経っても一番好きだ」なんて君が言ったから、俺は君が背負ったあの空の色を何百年経っても忘れられずに今も見上げている。

02. 嘘 伊独
冗談が苦手と言っても俺がそんな嘘に騙される訳ないだろうと言おうとして、お互いの股間をまじまじ見たあの件を思い出して一人赤くなった。

03. 卒業 日+一般人
別れが悲しくても俯くのはおやめなさい。ほら、私が遥かな時を経て愛してきた美しい花が貴方の頭上でこんなにも美しく咲き誇ってますよ。

04. 旅 日+英
「我が家に来るのも楽じゃないでしょう」
日本が問えばイギリスは「俺は箒に乗れるから」と答えた。冗談に聞こえないのが彼の悪いところ。

06. 電車 日+独
「速さだけならEUのが上なのにな」
「ダイヤの正確さは誇りですよ」
3分遅れただけで謝る車内放送の不思議さにドイツは眉間の皺を深くした。

07. ペット 普+仏(+独)
「小鳥の最高にかっこいいぜ!」「優雅な無駄のない曲線は美しいよな」
プロイセンとフランスの『鳥同盟』が犬派のドイツ宅で締結された。

09. おとな 英+日
「『おとなの絵本』という表現は変ですよ。それは写真ですから」エロ本を捲くっていた英の横でそうのたまった日本はエロ漫画を取り出した。

11. 本 米+日
我が国最古の漫画を貸してみたら、漫画好きの若い大国はamazingと呟いて固まった。書物と言えば洋綴じという概念くらいは崩せただろうか。

13. 女と女 リヒテン+ベラ
「兄に愛される立場の貴女が羨ましい」と怜悧な美女が言う。
「神に愛された身体の貴女が羨ましい」と貧乳の少女が言う。

14. 手紙 普独(冷戦中)
拝啓愛する貴方へ。寂しさで人が死ねるなら俺はとうにこの世にいないだろう。会いたい。
その手紙は3晩で出来た壁を超えることは無い。

17. 初体験 伊独
あまりにも心配そうに痛くない?大丈夫?と訊くものだから、さっさと来いと言って抱きしめた。ドイツかっこいー!と感嘆されて少し萎えた。

20. 怒り 普独
色素の薄い弟の瞳が、燃えるように光った。まるで俺の眼のようだと考えながら、その蒼くて紅い炎に焼き尽くされるなら本望だと思った。

22. 噂 伊独
お前とあいつが付き合ってるって聞いたんだけどと兄ちゃんに言われたから肯定したら、背後から鉄拳が飛んだ。恥ずかしがらなくてもいいのに。

28. 体 仏独
ブルネットになりたかったとぼやいたら、それ以上色気を出されても困ると恋人に真顔で言われた。
少しだけ気に入った子供っぽい金髪を摘む。

29. 感謝 普+子独
遠征の留守中に編んだ花冠を渡せば兄たる青年は柔らかく笑んだ。彼がそんな笑顔を向けるのは弟にだけだということを少年だけは知らない。

30. イベント 独+日
事実、訓練は上手くかわすし体力は衰えているらしい。ただ食と同人誌即売会に関してだけは嘘みたいなパワーを見せるのだ、あの自称ジジイは。

31. やわらかさ 伊独
イタリアが熱心にクッションを選んでいたので理由を訊いてみた。
「ドイツのおしりと同じやわらかさのないかなって」
とりあえず殴っておいた。

32. 痛み 普+独
「あらゆる痛覚を快感に変える兵士が居たら百人力だと思わないか」
「否定しないがそんな奴の上官にはなりたくねえな」
ある野外訓練の午後。

34. 今昔 親分子分
昔はほっぺたぷにぷにしとって可愛かったのに、と残念そうに言う自称親分の頬を抓った。ペド野郎なんかじゃないとどの口で言いやがる!

36. 浪漫 ?×独
男の浪漫たる講釈を長々と聴いた。献身的な女性に対する憧憬は理解した。しかしメイド服を俺に着せたがる理由までは理解できなかった。

37. 季節 典芬典
寒いのは苦手だから冬は得意じゃない。でも同居人が忙しくも楽しそうにクリスマスの準備をするから、それだけでこの季節が好きだと思える。

39. 欲 伊+独
食べたい物を存分に食べ、眠いと思ったら寝たい場所で寝る。そういう生き方ができない性分だから、こいつが不可解でもあり羨ましくも思う。




文章の対比が好きなので13はわりとお気に入り。
28補足:白人は子供のころ金髪でも大人になってから茶髪になることが多い=色のある髪はセクシーというのをどこかで聞いたのが元です。





バサラ



05. 学ぶ 政小
勤勉は美徳だが。
「このに稲は肥料が…」
農業指南書を読み始めて幾刻経ったと思っていやがる!物に当たったらようやく視線がこちらに向いた。

15. 信仰 政小政
「あまり誰かを崇拝するのは自分の自由を失うことだそうだ」
「貴方に拘束されるなら本望です」
言いきる従者は幸せそうに目を瞑った。

27. 芝居 政小
元来嘘や小芝居は得意でない。その性分を押し殺して主の心を断ればみっともなく語尾が震えた。
意地悪く笑った口元の三日月が眩しい。

33. 好き 政小
焼けつく視線を感じて何か御用かと問えば、何でもないと目を逸らすことを繰り返す。
この若い主は気持ちを隠しているつもりでいるらしい。

35. 渇き 政小(死ネタ)
泣いて泣いて泣いて。叫んでしゃくりあげて嗚咽して。体中の水を数多の涙で使い尽くして干からびて、それであいつの許へ行けるなら。

40. 贈り物 政小
南に視察に行った小十郎から、報告書と「少し早めの春を」という文つきで桜の枝が届いた。春より先にお前が来い、と呟く声は南に届かない。




40補足:書いたとき(4月下旬)丁度仙台あたりで桜が見頃だそうで。こっち(東海地区)ではすっかり葉っぱが生い茂ってますが。





封神



08. 癖 飛虎+聞仲
「髪かき上げるのは癖なのか?」そう訊いた翌日、聞仲の頭が可愛い髪留めで彩られていて飛虎はずっこけた。切るという選択肢はないらしい。

18. 仕事  趙聞
うず高く積まれた巻物の山々から突っ伏した金髪が覗いた。腕を掘り出してティータイムに誘えば否と聞こえて、生きていたことに安心した。

21. 神秘 飛虎+聞仲
飛虎が供した杏仁豆腐は宮中料理をも凌ぐ逸品だった。あの大きな中華鍋はどんな宝貝よりも不可思議で神秘的なのかも知れぬ。

24. 悲しみ 聞仲
雨が降る。紅い雨が。この心を満たすのは空虚か喪失感か、或いは深い悲しみか。
ただ光が飛んだ空に祈る。私にもう少しだけ足掻く力と時間を。

25. 生 聞仲 ※if設定後
生まれ変わり?当然実在するだろうな、この眼で確かに見たのだから。――ならば語らねばなるまい。奴とお前と私の、出会いと別れの話を。




シリアスっぽいお題は封神に持って行きたがるというのを再認識しました。





その他



10. 食事 レイトン
3種のハーブを取り違えただけで得体のしれない紅茶が出来るのだから、数々の食材を取り違えたら…と考える師弟の目の前にはアロマの手料理。

12. 夢 剣やち
大好きな金平糖の海の夢はそこに剣八がいないというだけで悪夢だった。起きた瞬間目の前に彼の顔があったのは幸福としか言えなかった。

16. 遊び 真+荒
「何をしているシンジ!遊びじゃないんだぞ」
遊びだったらどれだけいいか、と荒垣はリーダーに貰った装備―バス停と執事服―を見つめた。

19. 化粧 リクニノ
ニノさんはお化粧なんかしてないですよね、と問う彼は切羽詰まっていた。ボロボロのP子の件は無知な若人に深い傷跡を残したようだった。

23. 彼と彼女 スネイプ
憎んだ男の息子が彼女の瞳を持って我輩の前に現れた運命を呪おう。今日もまた嘗て愛した翠玉と向かい合う苦痛が始まる。

26. 死 ハリー+スネイプ
彼の魂があの白い闇の向こうにあるなら、今額縁の中で悪態をつく彼は何なのだろう。しかし僕はこの魔法に敬意と感謝を抱かずにはいられない。

38. 別れ セブ→リリ
また明日、と言って駆けていく彼女の足は高く伸びる塔へと向かう。僕の足はのろのろと冷えた地下牢へと向かう。
心だけでも共に帰れたら。




死にネタに行きがちなお題はだいたいハリポタに向かってる気がします。