過去拍手・会話小ネタ・短文
みえるひと・うたかたメンバー・ギャグ
みえるひと・ガク・シリアス
xxxHOLiC・百四・シリアス
みえるひと・ガク姫+ツキ・ギャグ
最遊記・八+悟・ギャグ



みえるひと・うたかたメンバー・ギャグ


学校の行事で使ったカメラを手にして、姫乃が言った。
「ねぇ明神さん」
「ん?なんだ、ひめのん」
「うたかた荘のみんなと写真って撮れないかな?ほら、私は霊には触れないけど、写真なら形に残せる気がして…」
「あー…どうだろうな…」
「いい考えだマイスウィート」
明神が答えを出す前にガクがぬっと現れ同意した。
「多少透けるかもしれないけど」
続いてツキタケが現れ、
「カメラの枚数かせぎなら付き合ってもいいぜ」
「おしゃしんとるー!」
陽魂勢の圧倒的多数で、うたかた住民全員集合写真撮影が決定した。

「他に誰が撮るんですか。オート機能も三脚もないのに」
「ひめのんの隣は誰にも譲らん」
「つーことで明神カメラマン決定ー!」
「くそー…じゃあ撮るぞ。ハイチーズ!」
パシャ!

数時間後、現像した写真を受け取った姫乃は自室で早速見てみると…
「きゃぁぁあ!!!」
「どうしたひめのん!!」
「陰魄が出たか!?」
「こ…これ…」
そこには、3つのぼやけた顔――特にガクは顔の片側が隠れてるのでどう考えても悪霊にしか見えない――が姫乃の周りにある、まさに『心霊写真』といった風の写真だった。
「あちゃー…やっぱりこうなったか…」
苦笑いする皆の横で、Mr.ガラスのハートは、
「紙の上でも触れ合えない運命だなんて…!」
机の上のカメラをハンマーで勢いよく叩き壊した。




うたかたメンバーズが多少透けてても全員はっきり写るようなカメラが欲しい。

06.02.15





みえるひと・ガク・シリアス


明神の手は、剄を発し霊を案内する、守るべきものを守る手。
ひめのんの手は、水仕事をこなし料理を作る、働き者の手。
アズミの手は絵本を握りめいっぱい遊んで、エージとツキタケの手はアズミをあやし一緒に遊ぶ手。

オレの手はどうだろうか。

何も為さず、ただずっと玩具のハンマーを握ってきた。
罪の無い両親の愛の思い出を、破壊衝動の具現化にしているこの手は、とても罪つくりのように思えて、

少しだけ、
嫌になった。




少しだけ自己嫌悪のガク。地下水道編のちょっと前くらい。

06.02.15





xxxHOLiC・百四・シリアス


鏡で見慣れたはずの俺の瞳の色が、四月一日の右目に移ったとき琥珀色だと思ったのは、落ち着いた湖を思わせる深い深い蒼が隣にあったからだろうか。
もっともその蒼の持ち主は落ち着いたという言葉とは無縁な騒々しさで俺を拒絶するし、その澄んだ瞳がときに禍々しいアヤカシを映すと知っていても、俺はあの蒼が好きだった。
失いたくなかった。
だから右目の半分を差し出すことにためらいはなかった。
結局蒼い目の片方は欠けてしまったが、後悔はない。
その両の目がまたこの世界を映すなら。

おまえが見る世界の半分がその琥珀が映すものなら、
おまえの世界の半分は俺のものだ。




目の色はアニメに準拠。

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みえるひと・ガク姫+ツキ・ギャグ


長閑な休日の昼に、うたかた荘に一つのメロディが流れた。
発信源はつけっぱなしにしたTV。
デビュー10周年だとかのアーティストの特番をやっている。
散歩から帰ってきたガクとツキタケがTVの前で足をとめた。
「なんかこの曲アニキみたいですね…」
もちろんアニキはもっとカッコいい男ですけど、とツキタケが言い終わる前にガクはツキタケの隣から姿を消していた。

ガクは、TVの曲に合わせて鼻歌を歌いながら料理を作っていた姫乃のところへ向かった。
壁から顔を出す登場の仕方も、うたかた荘では常識になってしまっていたが、いきなり質問されることまで常識のうちであるかと言われれば、それはまた別の話な訳で。
「ひめのん!」
「どうしたの、ガクリン」
「俺は頼り甲斐にあふれる誠実な男だろ?」
「へ?えーと…うーん…どうだろ?私にはちょっと分かんないや」
瞬間、ピシッとガラスにヒビの入った音がした…ように見えた。
「そうか…」
ガクはそのまま壁をすり抜け、リビングを通過し、
「行くぞ、ツキタケ」
とだけ言ってまた外に向かった。

「アニキの良いところはオイラがいっぱい知ってますよ!きっとそのうちねーちゃんも理解してくれますって!だからそんなに落ち込まないでくださいよー」




流れてた曲は近畿子供達(英訳)の「愛されるよりも〜」のやつで。

08.12.31





最遊記:八+悟・ギャグ


「悟浄は錫杖の手入れはしないんですか?」
「そーだけど?なんでまた唐突に」
「いや、三蔵が銃の手入れしているのを見て、ふと思ったんですよ」
「俺のは鎖にこびりついた血ィ取るのとかメンドーじゃん?別に困ってねーし」
「必要ないことはしない人ですもんね、悟浄は」
「それはそうと、お前は武器とか使わねえの?全く使えない訳じゃないだろ」
そのことは、元は人間だった八戒の、妖力制御装置が無言で示す。
「そうなんですけどね…ほら、僕義眼でしょ?右目が少しだけは見えても、空間の感覚が完全に掴めるとは言い切れないじゃないですか」
「あ、そっか。普通に生活してるから忘れて…」
とそこまで言って、はたと気付く。
「そんな視力で車の運転していいワケ?」
「あ…」
まさに今気付きました、という様子の八戒の顔に、悟浄は背中に汗がつたうのを感じた。
「まあ、ジープも少しは手助けしてくれますし」
「いやいやいやだめだろそれじゃ!!俺ら殺す気か!」
「大丈夫ですって。それくらいで死ぬような貴方達じゃないでしょ?」
にこっと満面の笑み。
ツッコミたいことは山程あるが、八戒の言葉が正論に聞こえるのは何故だろう。というか勢いを殺がれるのは何故だろう。

そうか、今わかった。いや、前からわかっていたことだった。

八戒が使う最凶の武器は――笑顔、だ。




カッとなってやった。特に反省は以下略。

06.02.05