半兵衛→秀吉・シリアス 秀吉という男の語る夢は、強く大きく力強かった。 また彼も、誰も見なかったその夢を叶えるに値するほどの度量と力があった。 それらは僕が持って生まれなかったものだしこれからも手に入れえないものだったから、彼に惹かれて僕は彼の傍に居ることを選んだ。僕が最後まで共にその夢見ることはできなくとも。 彼はその大きな掌で天下を掴むと言った。海の外の国に敵う国を創ると言った。 秀吉ならそれができるだろう。愛するひとを手にかけてまで彼が得た力は、彼の掌にしっかりと宿っているのだから。 だけど。でも。詮無いこととはいえ、ふと考えてしまう。 病に蝕まれ一刻ごとに流れ出る僕の命を、その掌が食い止めてくれたらいいのに。 共に行こうぞと肩を叩いた掌が、折れそうなこの躯を抱きしめてくれたらいいいのに。 天下を掴むその掌が、僕の心を掴んで束縛してくれたらいいのに。 おこがましいと分っている。僕は秀吉の糧となるべきであって、重荷になるべきではないことも理解している。 でも、僕はあの掌に我儘な夢を見ずにはいられないんだ。 BHで秀吉とはんべの死に際台詞のすれ違いっぷりは悲恋萌え。 |
政小・シリアス 俺を唯一としてくれるひとなど居なかった。 俺は跡継ぎになるべきではない子供であったし、排斥されるべき養子であったし、数多いる小姓の一人であった。 それを苦と感じたことはない。それが常であったから。 「こじゅうろう、ずっとそばにいてくれ…」 切り取ったばかりの眼窩から涙を流し、沁みて痛いだろうにそれをやめない主は、俺の袖を小さな手で握って言った。 「お前がいないと俺は…っ!」 まだ子供だった貴方は、思ったままを言の葉に乗せて訴えたのでしょう。それに何の意図もないのは、表情を見れば一目瞭然でした。 その子供の訴えが、己が今まで居た場所を闇と認識し貴方そのものを光と認識させて。それが俺にどれだけの影響を与えたか分りますまい。 でも、その瞬間から貴方は俺が宿す深い深い闇の世界でたったひとつ輝く月光になったのです。 キーワードは「射干玉の闇に光一つ」「涙に弱い」 うちのデフォルト政小はだいたいこんな感じ。 |
小政小・シリアス 俺の右目の二つ名をもつあいつは霧雨のような男なのだ、と思う。 嵐でも豪雨でもないと思って軽い気持ちで傘を差さずに歩けば、柔らかく振る雨粒はいつの間にか纏う服をしっとりと湿らせ体を締めつける。気がついたときにはもう手遅れ、水に包まれて動けなくなっているのだ。 その重さを増した布は己のものなのだから、自縄自縛もいいところだと思う。そしてその縄から抜け出すには俺の力はまだまだ弱く未熟なのだろう。 俺が生涯を懸けて守ると誓ったあの方は嵐のような男なのだ、と思う。 叩きつけるだけの雨粒でもなく力で吹き付けるだけの風でもなく、それらが複雑に絡み合った嵐。 嘗て幼少の砌、彼を傀儡にするつもりなのだと影で罵られたことがあったが、それは彼に対する過小すぎる評価であるし、おこがましすぎるというものだ。この世の誰一人として、あの嵐を操るどころか鎮める事すらできないのだから。 そしてその奔放に吹き荒ぶ嵐の中に居ること望む自分は、狂っているのかもしれない。 「小十郎」 「なんでしょうか、政宗様」 まただ。彼の名を呼び視線を絡めるだけで、心の臓は早鐘を打ちだして止まらなくなる。 この想いは梅雨空のように濁って動かない。いつか晴れる日は来るのだろうか。 互いを水(=雨)に例える双竜。 そんな両片想い。 |
瀬戸内・ギャグ 瀬戸内が幼馴染で15年ぶりとかの再会をしたら。 元親「お前松寿丸か?(←元就幼名) すげえ久しぶりだな!元気してたか」 元就「貴様があの姫、だと…?!嘘を言うなこの下衆め!!」 元親「オイ、こんな銀髪で隻眼の男がこの日ノ本にどんだけ居ると思ってんだよ。自分で言うのもなんだが、相当希少で派手じゃねえか」 元就「ということは本当に……! 嗚呼、あの時我が…」 元親「?」 元就「あの時我がBボタン連打しておけば…!」 元親「俺ら的には×ボタンなんじゃねえかな」(ハードがソニーだから) 元就「若しくはかわらずのいし」 元親「ってかいい加減他社の話すんのやめろよ」 智将のナリ様にはひたすらボケたおしていただきたい。 |
瀬戸内・ギャグ 二人が昔馴染みだけど幼馴染じゃなかった場合。 「元就、お前俺がガキの頃から全然変わんねえけど、一体何歳?」 「ふむ…昨年か一昨年に米寿の宴を催したからそれくらいであろうな」 「ハァ?!嘘だろ!?」 「我が斯様な下らぬ嘘をつくとでも」 「あー…そうだよな。なんでそんな若いままでいられるんだ」 「波紋の呼吸を修得していればこの程度造作もないこと」 「それって遥か海の向こうにある伝説の…!!」 「日輪の信仰者たる者、それくらいできずにどうする」 「いやいやいや、無理だろ普通!!」 ジョジョ読んで「波紋って要するに太陽だよね」って思ったら、なぜかナリ様が波紋の戦士になってた。 |